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「ジェフはまたダメか」を覆す!
佐藤勇人に聞くJ2最終節前の決意。
text by
細江克弥Katsuya Hosoe
photograph byKatsuya Hosoe
posted2017/11/18 11:30
“オリジナル10”であるジェフのプライドを胸に。最終節、佐藤勇人をはじめとした面々はフクダ電子アリーナでの決戦に臨む。
寿人くんから「あれ、必要なくない?」って(笑)。
――6連勝“前”と“後”で、何が変わった?
「システムがダブルボランチになったことで安定したという意見をよく耳にするけど、自分はそうじゃないと思っていて。6連勝の前に2連敗しましたよね。一度最悪の状況に落ちてから、勝って、光が見えたことで気持ちが戻った。それが大きい。
プラスアルファもありました。6連勝の3つめ、福岡戦ではGKの佐藤優也が、その次の大分戦では為田(大貴)がすごい活躍をして、2試合で勝点6以上の手応えを得られた。あれで完全に流れを掴みましたね。前節の名古屋戦では、自分たちが持っているものをすべて表現できた。勝ちたいという気持ちでも、相手を上回れたから」
――勇人くんの存在も、かなり効いていた。
「自分が激しくボールを奪う姿勢を見せられれば、自然とチームの緊張感が取れていくと思っていたので。名古屋みたいに“うまいチーム”に対しては、リスペクトして構え過ぎてしまう。それを避けたかったから、“行けば奪える”ことを示したかった」
――試合開始早々、双子の弟である寿人くんにガツンと。
「自分の中では最初から決めていました。“姿勢”を示さなきゃいけないと思っていたから。まあ、試合後に寿人からめちゃくちゃ言われましたけどね。アイシングしている足を見せて、『あれ、必要なくない?』って(笑)」
――勇人くんは9月2日の東京V戦からずっとスタメンでピッチに立っている。特に守備面の貢献は素晴らしい。
「役割としては、まずは“イケイケ”になりやすいチームを、ポジショニングやカバーリングで抑えること。それから、自分たちがボールを持つ時間を長くするために、できるだけセカンドボールを拾って、いい状態にいる選手をシンプルに使うこと。この2つです。
今の自分のサッカー観として、崩し方や点の取り方よりも、いかにして相手からボールを奪うかが大事だと思っている。ウチはある程度はボールを持てるけど、奪われて、カウンターで一気にやられることが多かった。それを自分が止められたらもう一度攻撃できるし、ボールを持っている時の勇気につながる。意識しているのはそこ。だから、“その瞬間”は100%で奪いに行く」