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幻の最強打線はペタ、カブ、ラミ!?
プロ野球伝説の国際スカウトの秘話。
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph byKyodo News
posted2017/10/23 11:00
2001年2月。来日したばかりのヤクルトスワローズの新外国人選手、アレックス・ラミレス選手。
前代未聞! 助っ人外国人の“三振バックレ事件”。
他にも、「巨人にハズレ外国人が多い理由」や「期待の助っ人はベンチのどこに座っているか?」等、興味深い視点で書かれた本書。
個人的に面白かったのは、2010年オフに巨人が獲得したラスティ・ライアルとの初対面で、中島氏がそのあまりに内向的な性格に「ダメかもしれない」と一瞬で悟ったシーンだ。
来日してからは巨人に移籍していたラミレスが一生懸命アドバイスするも、ライアルは無視し続け、やがて2人は犬猿の仲に……。
打てる三塁手として期待されたライアルは9月のヤクルト戦で三振した直後に神宮クラブハウスにバックレる、前代未聞の“三振バックレ事件”を起こし1年で退団。代わりの三塁手として原監督が獲得したのが、FAの村田修一だったというわけだ。
国際スカウト中島国章氏が数十年間に渡り最前線で見たドラマの数々。すべての点は一本の線となり、現代のプロ野球へと繋がっている。
もしかしたら、来シーズン来日する名もなき助っ人選手が、十数年後にはNPBで監督を務めているかもしれない。