【NSBC補講I】 池田純のスポーツビジネス補講BACK NUMBER
カープ松田オーナーに学んだこと。
池田純が考える人気球団経営の秘策。
posted2017/10/18 07:00
text by
池田純Jun Ikeda
photograph by
Hideki Sugiyama
Number Sports Business Collegeを主催する池田純氏が、いま最も注目するスポーツのトピックは何か? 横浜DeNAベイスターズを5年で黒字化した経営者の目線を通して、感じたことを正直に語ってもらう。
広島東洋カープがセ・リーグ連覇を達成しました。カープは、いまやファンが東京ドームも甲子園球場も内野席まで埋め尽くすほどの人気を持っています。
盛り上がりを象徴する存在として“カープ女子”と呼ばれる女性ファンがいます。しかし、球団としては女性ファン増加を意図していたわけではないはず。
私が横浜DeNAベイスターズを経営していた時がそうでした。決して「女性向け」を前面に押し出した運営はしていない。それでも女性ファンは一気に増加しました。
なぜかというと……女性は「熱」に敏感だからです。
球団が熱を込めたチーム作りや興行を行っていると、敏感に察知してくれるのです。例えば、私のFacebookに向けて、女性ファンの方から「楽しませてくれてありがとうございました。熱いものが伝わりました」とメッセージをもらったことが何度もあります。男性よりも感受性が豊かなのだと思います。
カープの赤とベイスターズの青は、グッズが作りやすい。
また、カープの応援にはコスプレ的な楽しみもある。
赤いユニフォーム、赤いグッズはかわいいものになり、身につけたい! という気持ちを喚起します。
ベイスターズも、青というのはユニフォームやグッズをかっこよくしやすかった。巨人は黒とオレンジですから、なかなかかわいいグッズを作りづらいのではないでしょうか。