プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
ブーイングを浴びるIWGP王者……。
1.4はオカダ・カズチカvs.内藤哲也!
posted2017/10/11 17:45
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
「強すぎてブーイングされるチャンピオンって、新日本プロレスにいました? いたのかもしれないですけれど、オレはそんな時代は知らない」
EVILを倒してIWGPヘビー級選手権8度目の王座防衛に成功したオカダ・カズチカは笑みを浮かべながら口を開いた。
10月9日、両国国技館。今年最後のオカダのIWGP防衛戦だった。
想像していたより長い30分を超える戦いになってしまったが、オカダはEVILにレインメーカーを見舞ってフォール勝ちした。
これで来年1月4日、新日本プロレス・東京ドーム大会「Wrestle Kingdom 12」のメインイベントが決定した。
オカダvs.内藤哲也のIWGP戦。
対峙するオカダと内藤……声援は内藤に集中していた。
4年前と同じカードだが、今回は相手が「内藤だから」という理由で試合順が「格下げ」にはならない。
オカダが内藤を呼び出した。
1つ前の試合で石井智宏を下して挑戦の権利をキープしていた内藤はそれに応えるようにゆっくりと花道に姿を現した。
2人はリングの中央で対峙した。
声援は内藤に集まった。オカダが内藤の得意の演説を「話が長い」と途中で打ち切らせると、国技館のファンはオカダにブーイングを浴びせた。
オカダは冷静だった。
「内藤コールの方が上だと思いました。みんな、次の新しい景色が見たいんですよね。そうやってみんなチャレンジしてきて、でも勝てない。どんどんその思いがプラスになっていく。でも勝てない。みんなが『オカダを倒してほしい』という思いを内藤さんに乗っけている。それを内藤さんがオレにぶつけてくれればいいんじゃないかなと思います。でも、悪いけどその上を行くのがオカダ・カズチカですから」
オカダはIWGP王者らしく余裕を見せた。