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ロンドン民泊はフェアで便利で快適。
五輪で東京の「実力」が試される。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byJun Ikushima
posted2017/10/03 07:00
日本ではまだ抵抗感も強い民泊。しかし東京五輪で宿泊施設が足りなくなることは確実で、その解決の方法が求められている。
泊まる側も、貸す側も相互評価されるフェアなシステム。
また、印象的だったことがふたつある。
鍵の引き渡しの件で出発前日までホストから返信がなく、不安が増殖していた時のことだ。
仲間がAirbnbに相談のメールを送ると、ホストと我々のやり取りを見た担当者から、「これは、心配ですね」と連絡が入った。
担当者はすぐさまホストに連絡を取ってくれて、1時間後には鍵の受け渡しの段取りが決まった(なんのことはない、私がロンドンに到着後、まっすぐにそのフラットに行き、鍵を受け取るということになった)。
さらに滞在終了後にはホスト側、ゲスト側双方が相手の評価を書きこめる仕組みになっている。つまり評価という点では、お互いが同じ立場になれる。
SNS時代では、ユーザー側が優位な立場になることが多いが、Airbnbでは相互評価システムが機能していることに興味を持った。もしも、ゲストが深夜にバカ騒ぎなどをすれば、それがオープンデータとなり、次にどこかの物件を借りようとすると、断られる可能性が高くなる。
そうなると、チェックアウト時には全員総出で掃除ということになり、チェックインの時よりもきれいにして部屋を出た。
私個人は、極めてフェアなシステムだと思った。
東京の民泊物件数は、パリの約5分の1。
では、東京の民泊状況はどうなっているのだろうか。
Airbnbに登録された世界の都市の物件数ランキングを見てみると……
パリ 78000
ロンドン 47000
ニューヨーク 46000
リオデジャネイロ 33000
ロサンゼルス 26000
バルセロナ 23000
ローマ 23000
コペンハーゲン 20000
シドニー 20000
アムステルダム 17000
(2017年4月5日 Forbesより)
東京はといえば、2017年4月1日時点での民泊の掲載件数はAirbnbに限らず、総体で1万6639件。トータルでもわずかにアムステルダムに届かず、トップ10の外ということになる。
この数を多いと見るべきか、少ないと見るべきなのか。