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ロンドン民泊はフェアで便利で快適。
五輪で東京の「実力」が試される。

posted2017/10/03 07:00

 
ロンドン民泊はフェアで便利で快適。五輪で東京の「実力」が試される。<Number Web> photograph by Jun Ikushima

日本ではまだ抵抗感も強い民泊。しかし東京五輪で宿泊施設が足りなくなることは確実で、その解決の方法が求められている。

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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Jun Ikushima

 もう、オリンピックに立候補する都市はなくなってしまうんだろうか。

 IOCは、2024年の開催地をパリ、2028年をロサンゼルスと一気呵成に決定し、ひとまず立候補都市減少問題に対して、ひと息ついた格好になった。

 さて、取材や観戦を主目的とする「スポーツ・トラベラー」の立場からすると、この決定はとても興味深いものだ。なぜなら、パリとロサンゼルスの2都市は、「Airbnb天国」といってもいい町だからだ。

 この原稿を読んでいる方で、どれだけの方がAirbnbを利用されたことがあるだろうか?

 Airbnbとは、簡単にいえば、いま日本でも話題の「民泊」の仲介組織だ。オリンピックに限らず、スポーツのビッグイベントが開催されるとホテルが足りなくなり、必然的に料金が高騰し、トラベラーを苦しめる。スポーツ・トラベラーからすれば、複数で部屋を借りれば割安になることも多く、利便性が高い。

11泊で30万円を4人で割ると……結構安い!

 実は今年の夏、ロンドンの世界陸上の取材では友人たちとキングスクロスにあるフラット(マンションの一室)を借り、大いに滞在を楽しんだ。

 2012年のロンドン・オリンピックの時も同じエリアのホテルに泊まったのだが、料金を比較してみる。

 オリンピックの時は、一泊およそ3万円で20泊、つまり合計60万円(これは、自腹です)。

 今回は11泊でおよそ30万円だが、部屋を4人で借りていたので、ひとり当たりの料金は割安になっている。しかもベッドメイキングのために部屋を空ける必要もないし、洗濯機が使えて、料理も出来る。スポーツ観戦のための長期滞在にはうってつけの物件だった。

【次ページ】 泊まる側も、貸す側も相互評価されるフェアなシステム。

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