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ロンドン民泊はフェアで便利で快適。
五輪で東京の「実力」が試される。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byJun Ikushima
posted2017/10/03 07:00
日本ではまだ抵抗感も強い民泊。しかし東京五輪で宿泊施設が足りなくなることは確実で、その解決の方法が求められている。
ホテル業界とのバランスもあるのだろうけれど……。
私個人の見解では、オリンピックを控えた町としては極端に少ないのではないかと思う。すでに現時点で、東京のホテルは予約が難しい状態が続いており、オリンピックが近づいて来たらいったいどうなるのか? と不安で仕方がない。
今年、国会では民泊新法(住宅宿泊事業法)が成立し、施設の貸主は都道府県などに届ければ、年間180日を上限に民泊事業ができることになった。政府は2018年1月の施行を目指す考えだが、一部業者からは、日数の上限が営業上の死活問題になりかねないとして不満の声もあがっている。
邪推だが、ホテル業界とのバランスをとる必要があるのだろう。
オリンピック期間はもっと柔軟に対応しなければ、世界からやって来るスポーツ・トラベラーは、茨城や埼玉、あるいは神奈川から「通勤」しながら観戦する事態になりかねないのではないか。
トラベラーが日本に悪印象を持ってしまうのは、避けたいものだ(私はアトランタ・オリンピックで郊外のモーテルに泊まらざるを得なかった。部屋に帰ると買い出しに行く店も近くになく、ひたすら「遠かった」という印象だけがいまも残っている)。
オリンピックは、町の実力が試される。
競技運営だけではなく、町全体のホスピタリティが問われるわけで、民泊は町の戦力になれる。
スポーツ・トラベラーに快適な旅を!