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サイバーエージェントが全株式取得!
藤田晋社長から見たDDTの魅力とは?
posted2017/09/27 08:00
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
プロレス団体DDTが、日本有数と言っていい企業のグループ入りを果たした。DDTが発行済み株式の100%を譲渡したという発表があったのは、9月22日のことだ。
譲渡した相手は株式会社サイバーエージェント。インターネット関連事業などを展開する東証1部上場企業であり、代表取締役の藤田晋社長は日本で最も有名な経営者の1人だろう。
サイバーエージェントが現在、注力している事業の1つが、テレビ朝日とともに出資したインターネットテレビ局『AbemaTV』だ。無料、登録不要で視聴できるこのサービスにはニュースにスポーツ、音楽、将棋、麻雀などさまざまなチャンネルが用意されており、オリジナルの番組も。『亀田興毅に勝ったら1000万円』を放送した局だと言えば分かりやすいだろうか。
DDTも早速AbemaTVで中継を開始!
9月24日には、このAbemaTVの格闘チャンネルでDDTの後楽園ホール大会が生中継された。
グループ企業としては当然の展開だし、CSのプロレス・格闘技専門チャンネル『FIGHTING TVサムライ』、自社の動画配信サービス『DDT UNIVERSE』も合わせた3媒体での中継はDDTらしいとも言える。
しかもAbemaTVは無料だから、とっつきやすさが違う。視聴しながらスワイプ(画面を指でスライド)させればチャンネルが切り替わるため、藤田社長の言葉を借りれば「通りすがりの人が見てくれる」というメリットもある。
「若い層にアプローチしていけたら」と言うのは、この日スーツ姿で試合をした“大社長”高木三四郎だ。
サイバーエージェントグループ入りの話を持ちかけたのは「DDT20周年を機に、もっと団体を大きくしたい」と考えていた高木だったという。
実際の数としては30代、40代も多いようなのだが、AbemaTVをはじめネットの映像については、若い世代のライフスタイルと絡めて語られることが多い。「高校生や大学生はお茶の間でテレビを見るんじゃなく、自分の部屋でスマホでAbemaTVなどのネット映像を見ている」とはよく言われること。実際、AbemaTVの人気コンテンツである新生K-1は従来の格闘技マニアとはまったく違う若い女性ファンを獲得している。