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日本版“MLB女子”って、主婦層!?
敏腕スモール氏が明かす意外な事実。
posted2017/09/26 15:00
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph by
Kiichi Matsumoto
カープ女子だけじゃない。女性が球場のスタンドを彩り、経営面でも球団を支える光景は日米共通である。9月14日、「Number Sports Business College(NSBC)」第11回のゲスト講師に招かれたジム・スモール氏は、“MLB女子”の力をこう語った。
「アメリカではMLBが、NFLやNBAよりも多くのファンを抱えています。これは、ファミリーエンタテインメントだからです。NFLではファイターたちの激しい闘いに男性が熱狂する、NBAでは大音量の音楽を流して煌びやかなショーを楽しめる一方で、MLBは女性や子供も含めて家族全員で楽しめるのです」
スモール氏は2003年にMLB JAPANオフィス開設のために来日し、アジア・太平洋地域におけるMLBのビジネス(イベント運営、草の根活動、スポンサーや放映権契約など)を統轄している。'06年に第1回大会が開催されたWBCでは、'99年から中心人物として事業計画書を作成し、NPB球団との交渉にも携わった。当時は各球団のオーナーから「なぜメジャーリーグがWBCをやるんだ」と猛反発を食らったが、持ち前の野球への情熱と交渉力で開催に漕ぎ着けた。
アジアでのMLBの最も大きな収入源となっている放映権ビジネスでも、現在ではアジア全体で20件以上の契約(地上波、有料テレビ放送、インターネット中継)を結んでいる。
30~40代の主婦層がファンの大きな割合、なぜ?
そんな敏腕ビジネスマンが、日本での女性ファン開拓を狙わないはずがない。来日してすぐに、市場調査を行なった。ところが、手元に届いた調査結果を見て、スモール氏は首をひねることになる。
「30~40代の主婦層が、日本におけるMLBファンの中で大きな割合を占めていたのです。最初は、『なぜ?』と思いました」
この疑問への答えは、日本での生活が長くなる中で、見つかった。