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モヒカン頭なのに常識人の若頭。
ハムシクと武闘派ナポリ、結束せよ。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2017/09/22 07:00

モヒカン頭なのに常識人の若頭。ハムシクと武闘派ナポリ、結束せよ。<Number Web> photograph by Getty Images

昨季までの在籍10シーズン、リーグ戦では357試合に出場して93得点を記録。マラドーナがいた1990年以来のスクデットを狙うチームの“顔”だ。

マラドーナの得点記録に近づくハムシクだが……。

 チームは1-2の今季初黒星を喫し、伊紙は「ハムシクがチームの足枷になっている」「スタメンから外すべき」と酷評。不調の主将へ恩情采配を続けるサッリの手腕にも疑問を投げかけた。

 ハムシクと同ポジションで23歳のMFジーリンスキは、今季すでに2ゴールを挙げている。他にも次世代の司令塔であるディアワラやボールの狩人アラン、いぶし銀のMFジョルジーニョなど、今季のナポリの中盤にはハイレベルでバラエティ豊かな面々が揃う。この戦力層の厚さこそ、主将ハムシクが長年待ち望んできたものだった。皮肉なことにそれが実現した今、ハムシク本人が休養を迫られ、スタメン喪失の危機に陥っている。

 ハムシクは今季でナポリ在籍11年目を迎えた。

 2007年、クラブがセリエAへ昇格した夏に入団してからナポリ一筋。リーグ戦出場試合数は360を越え、フィールドプレーヤーの“バンディエラ”としてFWペリシエ(キエーボ)やMFデロッシ(ローマ)、MFマルキージオ(ユベントス)と並び立つ存在になった。ナポリの神様マラドーナが持つクラブの個人通算得点記録「115」にも、あと2ゴールで追いつく。

威嚇的なモヒカンヘア、常識的な言動。

 多くの指揮官から重宝されてきた歴戦の猛者ハムシクは、サッリ一家でいうなら“若頭”だ。

 モヒカンヘアは威嚇的だが、言動は極めて常識的。やんちゃなクラブ土壌を持つナポリにあって、苦境でも批判の矢面に立ってきた。練習の帰りに強盗に遭ってもナポリから逃げ出さず、気性の荒いファンからの支持も篤い。

 この夏、独『キッカー』誌のインタビューに応えた若頭は、そう遠くない昔、ユベントスとミランからの引き抜きを断ったことを明かした。

「自分はナポリでキャリアを終えたいし、その前に一度でいいから優勝したい」

 いつかはスクデットを、と願い続けて10年が経った。マッツァーリ時代には得点王カバーニを擁しながら力及ばず。絶対エースFWイグアインがユーベに引き抜かれた昨夏には弱体化必至と思われた。

 だが、“サッリ一家”はかえって結束を強めた。

【次ページ】 「過去と比べて、今季のチームが一番強い」

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