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吉田麻也とエディー・ジョーンズ。
意外な2人の親密で敬意ある関係。
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph byTakuya Sugiyama
posted2017/09/08 12:50
サウサンプトンでの契約延長も勝ち取り、現在の日本代表で吉田麻也が最も順調なキャリアを描いていると言えるかもしれない。
自分でコントロールできる“日常”の重要性。
アドラー心理学の用語で言えば、“課題の分離”。不確定な要素に振り回されず、目の前の課題に取り組む。ロシアW杯アジア最終予選も、順風満帆なわけではなかった。自身のミスによって、批判に晒されたこともあった。それでも気持ちを切り替え、次の一戦に集中する。その繰り返しによって、吉田は日本代表で唯一、全試合にフルタイム出場を果たした。
ロシアW杯本番に向けても、その姿勢は変わらない。サウジアラビアとの最終戦後に強調したのも、“日常”の重要性だった。
「大切なのは自分たちのチームでしっかり試合に出ること。10月、11月と代表ウィークが続くので、しっかりコンデイションを整えて、チームでも代表でも良いパフォーマンスを出せるようにやりたいです」
9カ月後、自分がロシアW杯のピッチに立てるかどうかは、誰にもわからない。残り9カ月で、日本代表が劇的に強くなるかどうかも、わからない。ならばサウサンプトンでの目の前の一戦と、日本代表での強化試合に集中する。その積み重ねによって、目標とするW杯ベスト8進出が見えてくる。
きっとエディーさんも、それを願っているはずだ。
Number臨時増刊号『新生日本代表 いざ、ロシアへ』では吉田麻也選手をはじめ、今回の2試合に招集された日本代表選手27人の物語を掲載しています。彼らは何を思い、決戦を戦っていたのか――。是非お読みください!