話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
川崎にスーパーサブ登里享平あり!
鉄板攻撃陣に万能型のアクセント。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/08/23 08:00
左サイド敵陣深くをえぐる登里。万能性とともに川崎らしい攻めのエッセンスを持ち合わせており、リーグ戦でもACLでもキーパーソンとなる。
守備から入るが、仕掛けたら相手の弱みを突いていく。
「サイドハーフでもサイドバックでもどこでもやる気持ちでいますし、どこで出てもハードワークするというのは変わらないです。ただ、サイドハーフとして途中から入る時は、しっかり守備から入るのを心がけています。攻撃は相手のDFの動きを見ながらですが、今日の試合(札幌戦)だと相手の最終ラインの選手の足が止まりかけていたし、仕掛けたらズレがあったんで、そこを突いていくようにした。そういうのは途中から入っていく選手がやらないといけない仕事やと思います」
札幌戦では中央、サイドに流れるなどフリーマンのように流動的に動いていた。それと同時に左サイドハーフにポジションを取った際には左サイドバックの車屋紳太郎と息を合わせ、バランスを取ってプレーしていた。そういう部分も鬼木監督に評価されている要因のひとつだろう。
憲剛、小林、阿部、家長が結果を残す中での立ち位置。
現在、川崎の攻撃陣は非常に能力の高い選手が揃い、強力なユニットが形成されている。リーグ戦チーム最多得点(11点)の小林悠、9点の阿部浩之、さらに最近は家長がフィットしてきており、そこに中村憲剛が入る4人のユニットは鉄板になりつつある。実際、彼らは新潟戦(小林、中村がゴール)、鹿島戦(阿部、家長がゴール)ともに結果を出している。
登里としてみれば、スタメンで出場するのはかなり難しくなっている。ただ途中出場した場合は前線にはユニットの誰かが残っており、彼らをうまく使うことが求められる。そこを登里はわきまえており、彼らをサポートするような姿勢を崩さず、実際にうまく彼らを使っている。
「前の選手をうまく生かすことは意識しています。真ん中で受けて前線を経由させてあげるプレーですとか……。途中出場なのでとにかく自分の入った意図をくみ取りながらプレーしないといけない。それができないと次はないですから」
その意識が3試合連続アシストという結果に結びついている。