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筒香嘉智が高校時代から
気になっているあの投手。
posted2017/08/16 07:00
text by
田村航平(Number編集部)Kohei Tamura
photograph by
Hideki Sugiyama
いつも超然としている筒香嘉智だが、やはり速球派ピッチャーとの力勝負には燃えるらしい。
そもそも、2009年12月の入団会見では「これまでもホームランを打ってきたので、プロでもホームランバッターとして生きていきたい」と語っていた。高校通算69本塁打を誇る横浜高校の4番として、鳴り物入りでプロへ。周囲から期待されるのも、当然ホームランを量産することだった。
そんな筒香が「自分の数字よりもチームの勝利」と発言するようになったのは、2015年のこと。この年からチームのキャプテンに任命され、4番に定着していた。同年6月のインタビューでは、次のように話している。
「僕はホームランばかり狙っていると、率がまったく残らない。そうなると頼れる存在にはなれない。それだったら打点。打点を稼ぐということはチャンスできっちり打っているということになるので、勝つためにできることはそういうことじゃないかなと」
以来、日本を代表する長距離打者になっても、筒香は「チーム優先」という信念を曲げていない。
だが、この2015年のインタビューの最後に、ポロッと「力勝負」へのこだわりを漏らした。直前の6月14日に初めて対戦した、大谷翔平に話が及んだときのことだ。
「もう少し、(自分の)体の状態が万全のときにやりたいなと思いましたね」
大谷との対戦では、いつも筒香が怪我をしていて……。
大谷はその前年、2014年6月25日にプロ入り後初めてベイスターズ戦に登板。
7回2失点で勝利投手となり、6回には160kmをマークしている。だが、筒香はその1週間前の6月18日に右太腿の故障で登録を抹消されており、対戦はかなわなかった。
迎えた1年越しの初対決は、3打数でシングルヒットが1本。しかし、このときもまた筒香は右太腿を痛めていた。
キャプテンに就任したばかりで、自分とピッチャーの勝負だけを考えてはいられない立場だ。それでも、大谷との対戦は心待ちにしていたのだろう。豪速球をフルスイングで打ち返せなかったことに、悔いが残っているように見えた。