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「空中戦の巨人」は過去のものに。
広島との本塁打の差は40本以上。
 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byKyodo News

posted2017/07/28 08:00

「空中戦の巨人」は過去のものに。広島との本塁打の差は40本以上。<Number Web> photograph by Kyodo News

打率3割超、2ケタ本塁打。マギーの成績を見れば打線に不可欠な一方で、長打力では悩ましい一面もある。

巨人は15本塁打を越える打者すら1人もいない。

 さらに巨人が3連勝を狙った交流戦明けの3連戦でも田口麗斗、菅野智之両投手の好投で連勝したあとの3戦目は5-5の7回に丸佳浩外野手にこの日2本目となる本塁打が飛び出して広島が勝ち越し、そのまま逃げ切った。また26日には巨人のルーキーの畠世周投手に6回までで11三振を奪われながら、鈴木と丸の2本の2ランで主導権を握って7-2と圧勝した。

 広島の今季のチーム本塁打99本はもちろんリーグトップだ。エルドレッドの22本を筆頭に鈴木が19本、丸が17本と20本前後の打者が3人もいる。一方の巨人は坂本と阿部、マギーがそれぞれ10本塁打を放っているが、20本塁打はおろか15本塁打を越える打者すら皆無なのである。自ずと対巨人戦で赤ヘル打線が放った本塁打は全部で18本もあるのに対して、巨人は対広島戦で半分以下の8本でしかないというデータも出てくる。

 接戦の勝負どころで、チャンスは作っても点が奪えない巨人と、本塁打で一気に流れを掴む広島の差が、この極端な対戦成績に表れているということなのである。

田畑コーチを広島専従のスコアラーに転出させた。

 7月13日に巨人は斎藤雅樹二軍監督を一軍投手コーチに配転し、それに伴い尾花高夫投手コーチをブルペン担当に、ブルペン担当の田畑一也投手コーチを戦略室に転出させて広島専従のスコアラーにした。

「狙いはこれから先のこと。これからチームが浮上するためには最高の配置転換じゃないかと思います。広島戦が(13日現在)3勝11敗というところで、スコアラーの強化を図り、田畑くんに入ってもらって広島専従でやってもらう」

 鹿取義隆GMは配転の狙いをこう説明した。

 マギーが不可欠な戦力であるならば、考えることは、攻撃面でマギーを使うことで生まれた「マイナス44本」という数字を減らすことではない。

 広島戦の勝負どころで打たれてきた本塁打をどれだけ防げるか。配球を含めて防御面を洗い直して、どこまで赤ヘルの一発攻勢を阻止できるか。そこがポイントとなるのだろう。

 その答えを見つけ出せない限り、たとえAクラスを確保してクライマックスシリーズで広島と対戦する権利を得たとしても……巨人に勝ち目はないということだ。

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