松山英樹、勝負を決める108mmBACK NUMBER
松山英樹が本当に全英で優勝しそう。
歴代王者と通じるゴルフへの寛容さ。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byAFLO
posted2017/07/21 12:00
グランドスラムの初日は松山英樹にとって鬼門だった。ここからいつものように徐々に調子を上げる事ができれば最後は……。
経験を積めば積むほど、松山は寛容になる。
あるがままにボールを打つゴルフと同様、あるがままに現実を受け入れ、ゆっくりじっくり咀嚼していく。決して100を求めない。そうすることで結果的に100へつなげていく。ロイヤル・バークデールの初日は、そういう松山が醸成されつつあることを実感した1日になった。
2日目は、どんな1日になるのだろうか。
「そりゃあ最高なラウンドができたらいいけど、そう簡単にはできない。このコースは簡単ではない。まっすぐ行かないと、パーを取るのも簡単ではない。そういう意味では、今日はあんまり曲がってなかった。明日は1打でも伸ばせるように頑張りたい」
経験を積めば積むほど、ランキングが上がれば上がるほど、メジャー初優勝に近づけば近づくほど、松山英樹はゴルフに寛容になっていく。もちろん、それは徹底した練習に裏打ちされた技術と自信があればこそだが、その変化は、メジャーを制した他選手たちと相通じるものがある。
ストイックな完璧主義者が寛容な笑顔で頷き、ナイスガイへと成長していく。その先にあるものは、おそらくメジャー優勝だ。