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「柔道界も変わってきたんだよ」
井上康生が池田純に熱弁した未来。
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph byKiichi Matsumoto
posted2017/07/20 19:30
生涯スポーツとして楽しむ柔道があってもいい。
そう語ると、今度は「どうですか、柔道界? もうちょっとこういうことをやったほうがいいのでは?と思うようなことはありますか?」と受講者へ逆質問する場面も見られた。
受講者「柔道の大会の見せ方についてですが、どうすればもっと一般の方が足を運び、楽しめると思われますか?」
「野球やサッカーとは違って、柔道は練習や試合の道場に入りづらいというイメージが強いのかもしれません。そういった意味では試合の運営もいろいろと考えていかなければならないでしょう。それ以前に、個人的には、柔道としての在り方をもう一度見直していいのではという考えもあります。今はどちらかというと競技性のある柔道が非常にメインになっている。これだけ、世の中でスポーツが“健康”という部分で敏感になっている中で、生涯スポーツとして楽しむ柔道があってもいいのではないかな、と。もちろん、道場は間違いなく学ぶ場ではあるのですが、その精神を持ちつつ、あらたな形を作り出すことがあってもいいのでは、と私は考えているんです。
IJF(国際柔道連盟)が進める方針もあり、試合によっては選手登場の時に音楽がかかったり、炎の演出など、エンターテイメント性も多様化していますが、そういったものを前面に押し出していく中で、“柔道界も変わってきたんだよ”と言えるようにしていくことも大事なことではないでしょうか。ただ、その反面、変えてはいけないものは変えてはいけない。そういった意味では『何をやるべきか』を考えることが非常に大切なのではないかなと感じています」
井上氏の熱のこもったトークに続き、受講者からの率直な質問や具体的なアイデア、ビジョンが次々と飛び交った90分間。第7回の「Number Sports Business College」も熱いディスカッションが繰り広げられた。
次回は7月27日、ゲストは株式会社ライゾマティクス代表取締役の齋藤精一氏が登場する。
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