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ソフトバンクからまたも育成の星が。
曽根海成、今宮健太を「抜く」宣言。
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKyodo News
posted2017/07/19 16:30
強肩を生かした好守と俊足が武器。昨季は、二軍で82試合に出場し、231打席に立って打率.244をマークした。
プロ入り1年目は体重60kgだった!?
言葉は悪いが“ただの石ころ”の数年先を予測するのがホークスのスカウティング。また、入団後は徹底的に体作りに専念させる。技術練習は二の次でいいというのが、この球団の育成プログラムだ。
たとえば千賀も同様だった。入団時はもやしっ子のように細かったが、初めの約半年間はボールにほとんど触らせてもらえず、腹筋を「1日1000回」など体幹強化メニューに多くの時間を費やした。プロ入団前は「ほとんど130キロ台だった」直球が、1年目夏には151キロを計測した。
曽根は今年の選手名鑑を見ても、「身長175cm、体重67kg」とプロ球界ではかなり華奢な部類だが、「1年目は体重60kgあったのかな」とプロレベルの体躯からはさらに程遠かった。
入団から2年間は体力づくりがメインの三軍生活。昨年ようやく二軍公式戦で82試合に出場するチャンスを得て、水上善雄二軍監督から「この一年で最も成長した選手」と評されるまでになった。
ホークスの育成選手は、基礎さえ固めれば一気に伸びる。
ホークスの育成選手は、一芸に秀でていたり抜群の身体能力を隠し持っていたりする選手が多い。基礎さえ固めてしまえば、その後は驚きのスピードで成長する場合が多い。
技術向上へ。曽根が出した答えは自分の目標とする先輩を出来るだけ近くで見て、聞いて、感じることだった。
「昨年のシーズン中に、今宮(健太)さんに電話をして、1月の自主トレに連れて行ってくださいとお願いしました。教わりたかったのはやっぱり守備のこと。12球団ナンバーワンですから。プレーや練習を見るのもそうだし、どんなことを意識しているのか聞いてみたかった。学んだことは数えきれないくらい。守備のすべてを教えてもらいました」
今年のキャンプ、オープン戦は背番号3桁ながら一軍にずっと帯同していた。