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日本マラソンのレベル低下に一石!
設楽悠太は「攻めて」東京五輪へ。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byManami Takahashi
posted2017/07/19 08:00
東洋大からHonda。長距離界の王道を走る設楽悠太は、そのスピードをさらに加速していこうとしている。
「やっぱり一番注目されるのはマラソンだと思うので」
2020年の東京での五輪が決まったことをきっかけに、予定にはなかったマラソン挑戦を決断した。それだけに、そこに懸ける想いは強くある。
「トラックで勝負したい気持ちもありましたけど、やっぱり一番注目されるのはマラソンだと思うので。東京ではその種目で結果を残したいという気持ちは大きいです。そうして応援してくれる人たちを喜ばせたい。それが今の僕のモチベーションになっています。もちろん東京でメダルを、という想いはありますけど、まだ、いま言っても『コイツ、何言っているんだ』と思われますから。そう思われないためにも、2年後の世界陸上で入賞して『東京でメダルを獲りたい』と胸を張って言いたいですね」
強気な言葉と、確かな未来図――。
かつてはなかった武器を手に入れた日本マラソン界のホープは、しっかりと先を見据えている。
心も体も、ランナーとして強く進化した設楽に、最後に1つだけ聞いてみた。
――初マラソン後、最初に頭に浮かんだことは何でした?
「解放感ですね。とにかくずっと節制していたので。お菓子を帰りのコンビニでいっぱい買って、帰りの車の中で食べて帰りました(笑)」
そう言ってはにかんだ柔和な笑顔は、大学時代のままだった。
(Number924号『東京へ 設楽悠太 攻めの走りで拓く道』より)