沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
アドマイヤとサトノの競り合いも……。
セレクトセールは今年も最高額更新。
posted2017/07/12 12:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
NIKKAN SPORTS
「みなさんも、ちょっと興奮状態なんじゃないですか」
セール終了後の囲み取材でそう切り出した、日本競走馬協会会長代行の吉田照哉・社台ファーム代表の言葉が、2日間にわたって行われたセレクトセールの、とてつもない活況ぶりを言い表していた。
今年20回目を迎えた日本最大の競走馬のセリ市「セレクトセール2017」が、7月10日と11日、苫小牧市・ノーザンホースパークで開催された。2日間で462頭が上場され、406頭が売却された。落札総額は173億2700万円(税抜き、以下同)に上り、5年連続で過去最高を更新。1頭平均の落札価格は4268万円で、1億円以上の値がついた馬は32頭と、昨年の23頭を上回った。
私たち庶民が20年や30年のローンを組んで買うマンションの数倍の高額馬が数分のうちに落札されてしまうのだから、まさしく別世界である。
ディープは圧倒的だが、ロードカナロアも健闘。
初日は242頭の1歳馬が上場され、216頭が落札された。
最高落札額となったのは、「リッスンの2016」(牡、父ディープインパクト)の2億7000万円。販売者はノーザンファームで、購買者は昨年の菊花賞と有馬記念を制したサトノダイヤモンドをはじめ、「サトノ」の冠で知られる里見治氏だ。GIIのローズステークスを勝ったタッチングスピーチの全弟で、栗東・池江泰寿厩舎に預託される。
高額落札馬ベスト10のうち上位4頭を含む7頭がディープインパクト産駒だった。ほかの3頭はロードカナロア、キングカメハメハ、ハーツクライ。ディープの種付料は3000万円もするので、「億超え」の産駒が多くなるのは当然だが、500万円の種付料で評価の高い産駒を送り出すロードカナロアの勢いも目立つ。