沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
アドマイヤとサトノの競り合いも……。
セレクトセールは今年も最高額更新。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2017/07/12 12:00
5億8000万円という価格は、ペイするためにはGI勝利が最低条件というような設定だ。果たして彼はどんな走りを見せるだろうか。
ディープの後継者はディープ産駒から出るのか。
ノースヒルズの福田洋志ゼネラルマネージャーは、ほかの牧場で生産されたキズナの産駒をすでに数十頭見てきたという。
「産駒は馬格があって、骨格がしっかりしています。だからといって重すぎず、脚の向き方が悪い馬などもいない。生産者にとっては、どんな繁殖牝馬に配合してもいい仔が出るので、来年以降も期待できると思います」
主戦騎手だった武豊も「牧場で何頭か産駒を見ました。早く乗りたいですね」と夢をふくらませていた。
250万円の種付料でディープインパクトの代表産駒の血を導入でき、上手く行けば種付料の10倍以上で売れる。キズナは、日高の中小の生産者にとって救世主になり得るポテンシャルを有している。
ポストサンデーサイレンスとなった種牡馬は、サンデー産駒のディープインパクトだった。同じように、ポストディープインパクトとなるのは、ディープ産駒のキズナなのか。答えが出るのはまだ先だが、サンデーの血が飽和状態だと言われながらも、代を経るに従って血統表の右のほうに押しやられ、血が薄くなっていることも事実だ。
やはり、日本の競馬界を牛耳るのはサンデー系の種牡馬なのか。それとも、ロードカナロア(父キングカメハメハ、母の父ストームキャット)のような非サンデー系の大物が風穴をあけるのか。
興味は尽きない。