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「この投手化ける」と感じた5年前。
セタコー・創価大・育成の石川柊太。 

text by

安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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photograph byKyodo News

posted2017/07/11 11:30

「この投手化ける」と感じた5年前。セタコー・創価大・育成の石川柊太。<Number Web> photograph by Kyodo News

石川柊太の登場曲は、去年も今年もももいろクローバーZ。プロ4年目にして一軍デビュー、そして一躍主力の一角を占めている。

青白い顔のひょろひょろだった高校生がいまや……。

 石川柊太がソフトバンク入りした年、球場で会った創価大の岸監督がこんな話をしてくれた。

「僕はねぇ、正直ウチじゃあムリだと思ったんだよね、石川は」

 高校3年の秋、創価大野球部の練習会にやって来た時の石川柊太の話だった。

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「体は細いし、なんとなく元気ないし、あの頃はメガネかけててね……それが余計に、弱々しい印象になってね。でもウチでピッチャー教えてる佐藤コーチがね、『どうしても獲りたい』ってがんばってね。『あの腕の振りは普通じゃない。体さえ作れば絶対モノになります。賭けてみたい!』ってね」

 眼鏡をかけて青白い顔をしたひょろひょろの高校生が、ものの7、8年も経たないうちに、人も見間違えるような隆々の体躯を、プロ野球の、それもソフトバンクのユニフォームに包み、中田翔を、山田哲人を、T-岡田を、バッタバッタと切り捨てているのだから、人の人生なんてちょっと先がもうわからない。

 学生時代から必殺兵器だった地面に突き刺さるほどの勢いの高速カーブは、“パワーカーブ”という称号が冠され、彼の代名詞にもなりつつある。

 ソフトバンクの最初の2年間はヒジや肩の不調で野球にならなかった石川だったが、昨年、ウエスタンで投げ始めた途端の4連勝。

 突き抜けた投げる才能と、まだ万全と言えないのかもしれぬフィジカルの未完成さ。

 この先の“勝負”は、投げていない6日間の過ごし方なのかもしれない。

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