パラリンピックへの道BACK NUMBER
リオ五輪候補や、今井メロの弟が。
パラ陸上で再び夢を追いかけて。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byKyodo News
posted2017/06/23 07:30
競技は違えど、陸上のトラックで躍動できる……その思いが中尾にとっての最大のモチベーションなのだろう。
「僕はヒーローになりたいんです」(成田緑夢)
先に取り上げた中尾は、車いす陸上を始めてからの経験自体はまだ浅い。この日も操作に苦労し、「直線でまっすぐ走らせることができませんでした」と語る。それでも表情は明るい。
「車いす陸上で、日本代表を目指したいです」
三段跳びではかなえることができなかった、大きな目標を見据えているからこそだ。
以前「僕はヒーローになりたいんです」と言葉にしていた成田は夏と冬、それぞれでのパラリンピック出場を目標に掲げて取り組んでいる。
一度は断たれても、再び追いかける夢があるから、その表情は気力と充実に満ちている。
そしてそれは、2人だけではないことが、大会での選手たちの表情が物語っていた。