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五郎丸歩が「酒井宏樹、カッコイイ」。
フランスで2人の友情が育った理由。
posted2017/06/09 13:10
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph by
Nanae Suzuki
6月1日、ロシアW杯アジア最終予選のイラク戦に向けた日本代表合宿でのこと。練習を終えた酒井宏樹に声をかけ、あることを伝えると、屈強な右サイドバックはにっこり笑った。
「嬉しいですねー。五郎丸さんには、本当にお世話になっているんです。人間的にも素晴らしい方で、お互いの奥さん、子供同士も仲良くさせてもらっています。孤独な南フランスの環境で、五郎丸さんはなかなか試合に出られなくて、つらい部分もあったと思うんです。でも、僕と会った時には、そういう素振りを全く見せない。人としての振る舞いは、すごく尊敬していますし、僕自身にとっても刺激になりました」
酒井に伝えたのは、Number928号に掲載されているラグビー五郎丸歩の連載コラム「GORO'S WAY」のこと。「酒井宏樹から受けた刺激」と題した今回のコラムで、五郎丸は酒井とのツーショット写真とともに、こう綴っている。
五郎丸が目にした酒井宏樹の素晴らしさとは?
「僕がプレーするトゥーロンは、車や汽車を使えばマルセイユからも近い。これまでずっとラグビー漬けの生活を送っていたので、サッカーを現場で観る機会はほとんどなかったのだが、自分がフランスの地でプレーするようになり、異国で結果を残している酒井選手のことに俄然、興味が湧いたのである。
ピッチで観た彼の動きは、素晴らしかった。サッカーについては詳しくはないけれど、彼の存在感を感じる瞬間が何度もあった。なるほど、これならレギュラーを張れるわけだ――と納得した。そして何より、ピッチで躍動する酒井選手の姿が、眩しく見えた。
カッコよかった」