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1年2カ月の空白は何を変えたのか。
桃田賢斗が復帰戦で選んだ新戦術。
text by
鈴木快美Yoshimi Suzuki
photograph byAFLO
posted2017/06/03 07:00
出場停止明けながら即優勝した桃田。本来の戦いぶりは復帰戦以降でこそ見られるのかもしれない。
「バドミントンは創造性が大事。時にはリスクを」
さて、フィジカルを前面に押し出したプレーが今回限りだと推測するのは、「スーパーシリーズ5試合を戦ったときより疲労感は大きい。全体的にずしっと疲れがたまっている」と話したように、体へのダメージが大きいからだ。
「バドミントンは創造性が大事で、ときにはリスクを冒すプレーも必要」という発言にも世界ではペース配分や技術が必要だという考えが滲む。
現実、長くラリーして1点をもぎとるより、手首の操作だけで1点を取れたほうが勝利は近いのだ。
そんな桃田にとって今後の課題は、以前の自由の幅の広いバドミントンをどう取り戻すかだろう。NTT東日本の須賀隆弘監督は「海外の試合に出ていくことで日本とは違う感覚を取り戻していけるはず」と話す。
7月はカナダオープンとUSオープンの国際試合に自費で出場予定。速さやスピードだけがバドミントンの凄みではないことを教えてくれる桃田らしいプレーがまた見られる日は遠くなさそうだ。