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大混戦ダービーは騎手の腕次第!
カデナで福永祐一の男泣きが見たい。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKyodo News
posted2017/05/27 08:00
皐月賞では9着に終わったとはいえ、過去5戦はすべて2着以内のカデナ。調整方法を弥生賞までの形に戻し、必勝態勢を敷いている。
シンボリルドルフ、ディープも弥生賞を制覇している。
前述した勝敗を左右する「ちょっとしたこと」には当然騎手の腕、そして馬に伝わる心理状態なども含まれる。
ということは、今年のダービーは騎手対決の要素が強くなる可能性もあるわけだが、最多勝記録更新を狙う武同様、注目せざるを得ないのは、18回目のダービー挑戦で初制覇を目指す福永祐一だ。
華々しくデビューした若手のホープというイメージだったが、気がつけば40歳。見た目が若いのでそぐわない感じもするが、キャリア21年目だからベテランと言っていい。2007年にアサクサキングス、2013年にエピファネイアで2着と、少しずつ、だが確実に近づいている栄冠を、今年はカデナ(牡、父ディープインパクト、栗東・中竹和也厩舎)の背でつかみに行く。
先行有利な流れを鋭く差し切った弥生賞のレースぶりから期待された皐月賞は、序盤から馬が進んで行かず、9着に敗れた。きちんと間隔は取っていたのだが、いわゆる2走ボケのような感じで、休み明けの弥生賞を激走した反動で緊張の糸が切れていたのかもしれない。
弥生賞がダービーに結びつくことは、シンボリルドルフ、ディープインパクトといった名馬が証明している。「ちょっとしたこと」のひとつとして、前田幸治オーナーの類まれなる強運も味方につけ、福永がどんな手綱さばきを見せるか、楽しみだ。
デムーロ、ルメール、戸崎、四位も有力馬に乗る。
大舞台にめっぽう強い外国人騎手2人、ミルコ・デムーロとクリストフ・ルメールも有力馬で戴冠を狙う。
デムーロのアドミラブル(牡、父ディープインパクト、栗東・音無秀孝厩舎)の前走、青葉賞は内容が濃かった。勝負どころで自ら動き、2分23秒6の好タイムで楽勝。青葉賞優勝馬初のダービー馬となる可能性は、けっして小さくない。
ルメールのレイデオロ(牡、父キングカメハメハ、美浦・藤沢和雄厩舎)も、昨年3連勝でホープフルステークスを制した強い馬だ。ルメールにとっては3週連続、ルメールと藤沢調教師のコンビにとっては2週連続のGI制覇なるか。
ほかを見回しても、皐月賞2着のペルシアンナイトは戸崎圭太、皐月賞で牝馬ファンディーナに次ぐ2番人気(6着)だったスワーヴリチャードは四位洋文と、いい馬に一流騎手が乗ってくる。