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川田将雅がサトノアーサーと狙う
「日本ダービー連覇のシナリオ」
posted2017/05/26 07:00
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Takuya Sugiyama
いよいよ5月28日(日)に競馬の祭典「日本ダービー」が行われる。今年は群雄割拠の戦国ダービーと呼ばれるが、その中でとりわけ注目を集める1頭がサトノアーサーだ。
皐月賞を優勝したアルアイン、2着のペルシアンナイトを管理する名門・池江泰寿厩舎に所属。名伯楽がその両雄よりも「この馬が一番舞台適性がある」と太鼓判を押す逸材だ。
サトノアーサーに加え、戦国ダービーで上位人気が予想されるのは青葉賞勝ちのアドミラブル、皐月賞5着からの巻き返しを狙うレイデオロである。それぞれの馬にもストーリーが秘められているが、その手綱をとるジョッキーにも記録がかかっている。
アドミラブルに乗るM・デムーロはここで勝てば、武豊に次ぐ歴代単独2位のダービー3勝目。しかも勝率は驚異の6割(5戦3勝)となる。レイデオロのC・ルメールは史上2人目の3週連続GI勝利とダービー初制覇がかかり、そしてサトノアーサーに乗る川田将雅には、武豊、四位洋文に続く史上3人目の「ダービー連覇」の偉業がかかっている。
昨年、マカヒキでは長い写真判定の末に……。
川田は昨年マカヒキに騎乗し、ダービー初制覇。長い写真判定の結果が出た瞬間、天を見上げ、涙を流した姿が印象的だった。
「勝っていると思っていたので芝コースから帰ろうとしたら、だいぶ待たされた後、写真判定が出ないからダートから帰ってくれと言われて。すごく不安にさせられたんです。もし負けていたらって。だから、正面まできて掲示板に数字が点ったときは、感情があふれました。ああ、やっぱり勝ってたんだという思いと、ダービーに勝てたんだという思いとで」
その姿は多くの競馬ファンの心を打った。例えば、Number927号で今年のダービー予想を披露しているタレントの横山ルリカは「普段、冷静沈着な方があそこまで感情をあらわにしたことにぐらっときて、心から、おめでとうございますという気持ちがあふれてきました」とコメントしている。