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洗練されたサッカー小僧・堂安律。
U-20W杯、ドリブルよりシンプルに。 

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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photograph byTakahito Ando

posted2017/05/15 07:00

洗練されたサッカー小僧・堂安律。U-20W杯、ドリブルよりシンプルに。<Number Web> photograph by Takahito Ando

海外メディアから「期待の若手」として報じられたこともある堂安。そのポテンシャルを世界中に知らしめる時は、来た。

ACLではコンビネーションからのスーパーミドルも。

 もちろん、ドリブルを捨てたわけではない。シンプルなプレーが出来るようになったことで、逆にドリブルの効力がフルに発揮されるようになった。さらに動きの質が上がったことで、得意のミドルシュートもよりフリーで打てるようになった。

 それが顕著に現れたのが、4月25日のACL第5節のアデレード戦でのゴールだ。13分、右スローインからの落しを受けると、ワンタッチで井手口に戻す。その瞬間、DF2人が井手口に食いついたのを見て後ろに下がり、フリーになった。井手口からのリターンパスを受けて、ターンすると目の前にシュートコースが空いた。それを見逃さずに左足を一閃。ボールは唸りを上げてニアサイドに突き刺さった。

 このシーンは井手口と、細かい動きとワンタッチパスの応酬で状況を打開し得意の左足ミドル。意識の進化と元々持っていたストロングポイントが見事に融合したシーンだった。

「これまでの自分は、ただひたすらドリブルだったけど、シンプルに出して返ってくれば、ドリブルで運んだのと同じ効果をもたらすことができる。それに何度も言ったようにスピードをかなり生かせるようになった。ただ速いじゃなくて、馬力が出たというか。力強さは身に付いてきたと思います。それは日々感じます」

世界の上手い奴は当たり前のことを当たり前にやる。

 意識の進化とポテンシャルの融合は、彼に大きな成長の実感をもたらした。次なる彼の戦いのステージは、U-20W杯。同年代の世界一を決める真剣勝負で、これまで積み重ねて来たことを発揮し、更なる意識の進化とポテンシャルの融合を実現させて行く。

「世界の上手い奴は当たり前のことを当たり前にやる。自分もそれをやる上で、プラスアルファ、思い切りの良さだったり、スピード、左足を見せて、彼らを蹴散らしたい」

 深まる自信は、闘争心の現れ。堂安律は世界の舞台に心を躍らせている。

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