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90分で5.8回相手を“完全に”かわす。
ネイマールのドリブルが異次元の域。 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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posted2017/05/11 11:00

90分で5.8回相手を“完全に”かわす。ネイマールのドリブルが異次元の域。<Number Web> photograph by Getty Images

バルサへ来て4年、ネイマールは確実に「メッシの次の世界一の選手」に育ちつつある。

ドリブル成功率、成功回数はともにリーガ最高。

 そのポジションから、単独および連係プレイを繰り広げる。

 単独では、ルイス・エンリケを唸らせる必殺のドリブルがある。

 各種データを提供しているウェブサイトSquawka.comによると、「マーカーを完全にかわす」という意味でのネイマールのドリブル成功率は62%。成功回数は160。どちらもリーガでは最高の数字である。

 また1試合平均回数5.8は欧州の主要リーグでもトップだ。一般的にマーカーを抜くのに必要なのは速さと瞬発力と思われているが、ネイマールは並外れた創意とボールコントロールと豊富なフェイントをも併せ持っている。他者にない強みである。

 そして連係してのプレーでは、新フォーメーションで絡みやすくなったメッシやイニエスタとのコンビネーション。世界有数の技術と創造性を持つ2人(あるいは3人)の連係は、守る側にしてみればこの上ない脅威だろう。

実はネイマールの走行距離はとんでもなく長い。

 今季のネイマールのゴールチャンス創出回数(ゴール枠内へのシュートに繋がるパスを出した回数)はチーム最多で、36節を終えたところで84回を記録しているが、開幕から第23節レガネス戦までの一試合平均は2.8回、その後のアトレティコ戦以降は3.3回に増えている。

 もうひとつネイマール好調のカギといえそうなのは、クリスマスのリーガ中断期以降、右肩上がりのフィジカルコンディションだ。中でも目を見張るのはスタミナ。ディフェンス時は4-4-2と化する守備陣形の一角を担うべく自陣に戻り、攻撃に転じては切れのあるプレイを疲れ知らずで続けている。サントス時代からネイマールに付いているフィジカルトレーナー、リカルド・ロサは、それこそが彼の知られざる強みだという。

「ネイマールの主な特長はスピードと敏捷性だが、実は持久力もすごい。みんな知らないと思うが、一試合の平均走行距離が10kmに及ぶこともある。フォワードではめったに見られない距離だ」

【次ページ】 本人は、あらゆる点でメッシに感謝している。

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