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ガンバからついに取り払われた聖域。
遠藤保仁、定位置奪回はなるのか。 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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posted2017/05/04 11:30

ガンバからついに取り払われた聖域。遠藤保仁、定位置奪回はなるのか。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

ここ数年間「遠藤の後継者」は日本サッカーが抱え続ける課題である。それほどまでの存在だからこそ、出場なしに終わるだけでも騒がれるのだ。

西野時代の超攻撃から、長谷川体制の守備重視型へ。

 西野朗元監督が率いた頃の黄金時代は“3点取られても4点取ればいい”という超攻撃的なスタイルだった。1-0で勝つよりも派手に打ち合い、それを制するところにガンバは存在意義を見出していた。西野は「攻撃」をガンバのDNAとして残し、負けたくないがために面白みに欠け、守備的な戦いを続けるクラブに対してアンチテーゼを投げかけたのだ。

 遠藤は、その超攻撃的チームの中心だった。

 しかし、J1に上がるために長谷川監督がチームにメスを入れるとスタイルが少しずつ変わっていった。どんな相手でも真っ向勝負で攻め倒すスタイルではなく、まず守備から入り、攻撃はカウンターが中心になった。結果的にそれが2014年の3冠達成につながった。ガンバは「攻撃」というキーワードを残しつつも「堅守」がベースのチームに生まれ変わったのだ。

 これはある意味、仕方のないことだった。

 監督が代わればサッカーも変わる。ガンバの黄金時代を支えた選手たちが抜けていき、ここ数年で選手が大きく入れ替わった。

ボールロストが増えていた遠藤の適正位置は……。

 それと同時に、遠藤のプレーも「波」が大きくなってきた。

 2016シーズンの遠藤はボールロストが増え、さらに守備の部分ではボランチとして相手の素早い攻撃に対応できなくなってきた。そこで遠藤をトップ下に上げて守備の負担を減らし、ボランチを今野泰幸と井手口陽介らに任せた。しかし、トップ下でもペナルティボックス内に入るスピードやフィニッシュでの物足りなさが見えてきた。

 そこでシーズン終盤に試したのが、アンカーだった。

 アンカーは、中盤の底で守備の役割を担うポジションだ。

 南アフリカワールドカップで日本代表が戦った際、岡田武史監督はアンカーを採用した。そこを任されたのが日本屈指の守備力を持つ阿部勇樹だった。阿部を置くことで全体の守備力をアップさせ、インサイドハーフである遠藤と長谷部誠に守備はもちろん、攻撃面でより力を発揮させようというのが狙いだった。

【次ページ】 今野と井手口で遠藤をフォローする形だったが……。

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