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1頭マークは武豊の最も得意な展開。
天皇賞・春、一騎打ちの行方は?
posted2017/04/29 08:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
これだけ一騎討ちムードが高まったGIはいつ以来だろう。
キタサンブラック対サトノダイヤモンド。昨年の年度代表馬と、それを有馬記念で負かした菊花賞馬が、ともに万全の態勢を整え、第155回天皇賞・春(4月30日、京都芝外回り3200m、4歳以上GI)で激突する。
レース史上4頭目の連覇を狙うキタサンブラック(牡5歳、父ブラックタイド、栗東・清水久詞厩舎)は、年明け初戦となった前走の大阪杯を完勝。一流の古馬がひと叩きされた上積みというのは例外なく大きい。
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さらに、前走時とは調教メニューを変えてきた。大阪杯の前は、坂路を1日に3本駆け上がるハードトレーニングをこなしたのだが、この中間は、周回コースであるCウッドコースを通常より長い2周半走らせるトレーニングを重ねてきた。
坂路を駆け上がるとピッチ走法になり、ストライドが短くなる。なので、距離の短いところに向かうさい、坂路が多用されるケースがよくある。それに対し、平坦な周回コースを走るとストライドが大きくなるので、長距離のレースに向かう前は、こちらのほうが適している、というわけだ。
清水調教師は「息をつくる調教を意識的に取り入れています。これまでより回数を増やせるようになっています」とコメントしている。2000mの大阪杯仕様だった走りを、3200mの春天仕様にスイッチする作業を完璧にこなしたようだ。
一頭を徹底マーク、というのは武の真骨頂。
引き当てたのは、過去最多の12頭が勝っている3番枠。1枠1番で好成績をおさめたことで知られる馬だが、大阪杯では4枠5番から出て完勝したのだから、内のほうであればどこでもいい、と言える。
ハナを切るか、他馬が前に行けば前走のように好位につけ、レースを支配するだろう。
主戦の武豊が「普通にすごく強い馬」と評するサトノダイヤモンドを意識したレース運びになるだろうが、「この一頭を負かすことが、自分の勝利につながる競馬」というのは、武の最も得意とするところだ。