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CL4強に残ったモナコって一体何者。
富豪だらけの国で育成クラブが成功? 

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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photograph byAFLO

posted2017/04/30 11:30

CL4強に残ったモナコって一体何者。富豪だらけの国で育成クラブが成功?<Number Web> photograph by AFLO

ムバッペとファルカオの年齢差デコボココンビがモナコの看板だ。ムバッペのドリブル、ボールタッチは一見の価値がある。動画サイトでぜひどうぞ。

アカデミー育ちの若者と、ビッグネームが揃う。

 今季の欧州エリート戦線に旋風を巻き起こしているモナコにも、とびきりのヤングタレントが揃う。

 アカデミー出身の18歳、キリアン・ムバッペを筆頭に、21歳のトマス・ルマー、22歳のティムエ・バカヨコとベルナルド・シウバ、ベンジャミン・メンディなど、国内外のビッグクラブが熱い視線を送る早熟の才能たち。そして前線にはラダメル・ファルカオ、最終ラインにはカミル・グリクと、経験豊富な一線級がキーポジションに鎮座する。陣頭指揮を執るのは42歳のポルトガル人監督、レオナルド・ジャルディムだ。

 もし彼らが準決勝でユベントスを倒し、一方でマドリーが勝ち上がれば、恐れ知らずの若人たちが白い巨人の連覇を阻めるかが焦点となる。22年前のファイナルでは、下馬評で劣るアヤックスがミランの連続優勝を止めているように。

 でもそれは、新たな刺激を求める僕らファンの願いと言えるのかもしれない。ニュートラルに見れば、準々決勝の2試合でバルセロナを無得点に抑えたユーベからゴールを奪うのは至難の技に思えるし、実際に2年前の準々決勝では同じ相手に1点も奪えず跪いた。

一時はPSGに張り合ってお金を使っていたが……。

 無論、モナコは誰もが認めるアンダードッグだ。2004年にディディエ・デシャン監督がチームをクラブ史上初の決勝に導きながらも、ジョゼ・モウリーニョ監督のポルトに敗れて果たせなかった夢は、夢のままで終わってもまったく不思議はない。

 ただそうなったところで、モナコへの拍手はやまないだろう。世界で最も億万長者の割合が多い公国(実に居住者の3割強!)を本拠とするクラブは、2011年にそのうちの1人であるロシア人の富豪ディミトリ・リボロフレフが実質的なオーナーとなってから、最初の数年はパリ・サンジェルマンに負けじと移籍市場に巨額を投じていた。

 しかしスター選手の力をもってしても、空席の多さで知られる本拠地に観客を増やすことはできず(そもそもおよそ18000席を埋めるには、居住者の約半数が必要になる)、またUEFAのファイナンシャル・フェアプレーが施行され始めたこともあり、フロントは方針を転換。自前での若手育成に舵を切り始めた。

【次ページ】 ベンゲルがアンリを見出したのも、モナコだった。

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