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新生K-1が“代々木第二を卒業マッチ”。
武尊が大爆発して、次はさいたまSAだ!
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byTakao Masaki
posted2017/04/25 08:00
魔裟斗から「自分の時よりも武尊は今のK-1を背負っている」というコメントをもらった武尊。次はこのレジェンド越えに挑む!
魔裟斗も武尊も、代々木第二でスターになった。
Krushの代々木第二大会を開催するにあたって、宮田のイメージの中には「1回目のK-1 WORLD MAX」もあった。2002年に代々木第二で行なわれた日本代表決定トーナメントだ。
K-1といえば、メジャー格闘技といえば「ヘビー級」。そんな時代に、魔裟斗を中心とする70kg以下の選手たちが繰り広げた闘いはあっという間に若いファンの心を掴んだ。
それまで後楽園ホールで闘ってきた選手たちが、ここで“世に出た”のだ。
魔裟斗はこの大会の優勝から、本格的なスターへの道を歩みだした。テレビありきのビッグイベントではなく、叩き上げの選手だからこその熱。新生K-1にも、同じ熱があると言っていい。
振り返ってみれば、佐竹雅昭が“熊殺し”ウィリー・ウィリアムスと対戦したのも代々木第二だった。アンディ・フグのプロ転向第1戦も。
代々木第二は、いわばスターが生まれる会場だ。
4月22日の大会では、武居由樹がスーパー・バンタム級新王者になった。20歳の若いチャンピオンだ。武尊もここで人気を高めた。
そしていよいよ“世間との勝負”へ!
そして新生K-1の解説席には、いつも魔裟斗がいる。金的攻撃から立ち上がってKO勝利を掴んだ武尊を見て、魔裟斗は言った。
「K-1を背負う気持ちが伝わってきましたよ」
魔裟斗は武尊に、かつての自分を見ているのかもしれない。その魔裟斗がK-1 WORLD MAX世界王者になった会場が、さいたまスーパーアリーナだ。もちろん、かつてのPRIDE、今のRIZINのホーム会場としても知られている。
スターが生まれる会場から、より世間と勝負するための会場へ。武尊の“代々木第二卒業マッチ”で、その準備は整った。