サムライブルーの原材料BACK NUMBER
細貝萌、絆創膏に秘めていた決意。
柏加入はJ復帰ではなく「挑戦」。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/04/16 08:00
細貝は16日の神戸戦に出場すれば、J1通算100試合出場を達成する。ピッチに立った際には真骨頂のハードワークを見せるはずだ。
レイソルの若手のモチベーションを上げる存在に。
レイソルは苦境に立たされている。
細貝が合流した時点でチームは1勝3敗。自分に課せられた使命は、チームを浮上させていくことだ。
「レイソルは若いチーム。ここまでいろんな経験をしてきたし、人間的に成長できたなって思うところはある。僕が入ることで『こいつには負けたくない』って思ってくれてもいいし、逆に『経験を聞いてみたい』とかでもいい。若い選手のモチベーションを上げられるような存在になれればいいかなって思います。ピッチで頑張るのは当たり前で、プラスしてチームのことを気にしていかなきゃいけないかなって」
自分が入ることで、組織がうまく回ればいい。潤滑油となり、調整役のファシリテーターとなる。
加入後初戦となったサンフレッチェ広島戦では終盤に出場して柏デビューを果たした。2-0と開幕戦以来の勝利を挙げ、少なくとも“細貝効果”は出始めている。
ルヴァンカップで持ち味の守備力を発揮した。
熱を発する細貝が、そこにはいた。
4月12日、YBCルヴァンカップ。アウェイの大宮アルディージャ戦で、細貝はボランチで先発フル出場を果たした。ポジショニングに注意を払ってセンターバックをケアしながらも、プレスに出ていくときは素早く、ガツガツと体を当てていく。スコアレスドローに終わったとはいえ、細貝の持ち味は出ていた。
「失点しなければ、負けないということ。きょうはそこを強く意識してプレーしたのは正直なところです。センターバックの(鎌田)次郎くん、(中山)雄太、ゴールキーパーのキリ(桐畑和繁)を助ける働きができればいいと思っていたし、失点しなかったのは良かった。まあ後は攻撃の部分。久しぶりに90分間プレーできたし、コンディションも含めてもっと上がっていくと思う。焦らず、徐々に、レイソルの力になっていければいいかなと思います」