松山英樹、勝負を決める108mmBACK NUMBER
松山英樹よ、まだチャンスはある。
苦しんだマスターズ初日と応援者。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byGetty Images
posted2017/04/07 14:00
初日、期待とは裏腹に苦しいラウンドを強いられた松山英樹。しかし、マスターズほど逆転が起こるコースもそうないのだ。
7番、ドライバーが曲がり始め……。
そんな着実な流れに変化が起こったのは7番。ドライバーで大きく左に曲げ、木々の合間から打った第2打はグリーンの右奥の観衆の中へ。前方の木をぎりぎりかわしながら寄せようとした3打目は木に当たってグリーンのカラーへ落ち、そこからパターで打つこと3回。ダブルボギーとなった。
続く8番もティショットが曲がった。今度は右。第2打はフェアウェイ対岸の崖下へ。そこから高い木々の上を越え、ピン8mほどへ付けたのはナイスリカバリーだったが、3パットしてボギー。2ホールで3つスコアを落とした。
風はどんどん強まっていき、オーガスタの難度はどこまでも高まっていった。12番はグリーン周りで苦しみボギーを喫したが、14番でピン2mに付けて奪い返した。
しかし、16番はまたしても3パットしてボギー。終わってみれば、4オーバー、76で54位だった。
ホールアウト後、松山の口数は少なかった。
ホールアウト後の松山の返答は、短いフレーズばかりになった。
この日の強風は「去年も吹いていたので別に仕方ない」。
開幕前に良くなってきたと言っていたショットは「スコアが悪いんで良くても悪くても関係ない」。
風の影響、グリーンの状態にもよるだろうが、パットのストロークはどうだったかと問われると「入ってないので良くないんじゃないですか」。
それでもなんとか前向きになろうとしていたのだろう。4オーバーのスコアには「納得はできないけど、明日に向けて切り替えてやっていけたらいいと思う」と希望を口にした。
そして、スコアは動かなかったものの、フェアウェイを捉え、ピン3mを捉えた上がり2ホールは「まあ、セカンドは良かったと思う。そういうショットがもっと打てるように準備したい。いいプレーができれば、まだチャンスはある。いいプレーができなかったら全くチャンスはない。いいプレーができるように準備したい」と、自身に言い聞かせるように「いいプレーを」と繰り返した。