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松山英樹マスターズ制覇への関門。
“アーメンコーナー後”を乗り切れ。 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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posted2017/04/04 21:00

松山英樹マスターズ制覇への関門。“アーメンコーナー後”を乗り切れ。<Number Web> photograph by AFLO

ハザードにも落ち着いて処理する術を持つ松山。だからこそ15番、そしてラスト2ホールでスコアを伸ばしたい。

もし松山に“克服すべきもの”があるとすれば?

 松山は過去5回マスターズに出場し、直近2年で5位(2015年)、7位(2016年)という成績を挙げてきた。堂々のトップ10入りだが、本人の目標が優勝以外にないだけに、いずれも満足した様子はなかった。

 昨年は最終日に最終組の前の組でプレーするなど、周囲は着実にグリーンジャケットに歩み寄っていることを実感している。では今年、松山が“克服すべきもの”があるとすれば、果たして何だろうか。

 マスターズが他のメジャーと一線を画すのが、過去80回すべて同じオーガスタナショナルGCで行われていることである。コースとレジェンドプレーヤーたちが作ってきた伝統と歴史が、ストーリーを肉付けしてくれる。

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 開幕を目前に控えた今回は、これまで松山が残してきたスコアカードを“解剖”。松山のマスターズ制覇への見どころを、記録の面からおさえたい。

直近2年の平均スコアはマキロイ、スピースらに匹敵。

 松山はローアマチュアを獲得した2011年にマスターズ初出場を果たし、今年で3年連続6回目の参戦となる。予選落ちはプロ2年目の2014年の1回だけで、計18ラウンドを経験してきた。

 平均スコアは72.222。タイガー・ウッズのキャリア平均70.86が他を圧倒しているが、十分上位の数字である。

 特にいずれもトップ10入りした直近2年の70.625はなお凄まじい。この数字はキャリアグランドスラム(全メジャー制覇)をかけてマスターズを戦うロリー・マキロイと同じ数字で、2015年優勝のスピースに次ぐスコアで、'16年優勝のダニー・ウィレットの71.5より優っている。

 優勝候補のひとりとして目されるのは、ツアーでの他大会の実績だけによるものではない。コースとの相性の良さが実績になっているからだ。

【次ページ】 難関アーメンコーナーを苦にしないショット能力。

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