ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
「何人タイガーマスクいるんだよ!?」
佐山サトルから三沢、Wまで大集合!
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph byAFLO
posted2017/03/05 11:30
ブラック・タイガーに鮮やかなローリングソバットを見舞う初代タイガーマスク。佐山の遺伝子は、今の「W」にも継承される。
三沢光晴以来の、マット界の救世主となるか。
“あのタイガーマスク人気をもう一度”企画は、じつは一時期、総合格闘技界にも飛び火している。2002年に『タイガーマスク』新作アニメ放送とタイアップで、PRIDEにタイガーマスクを登場させるというプランがあったのだ。しかし、これはアニメ放送自体がなくなったためお蔵入りとなった。もし実現していたら、田村潔司がマスクをかぶる予定で、田村自身、マスクをつけた上での総合格闘技の練習もすでに始めていたと語っている。
こうして振り返ってみてわかることは、歴代のタイガーマスクは、最初からタイガーとしてプロレスデビューした4代目を除き、すべて“仮の姿”だということだ。佐山も三沢も金本も、そして未遂に終わった田村も、レスラーとしてのアイデンティティは、「タイガーマスク」以外のところにあった。
そうなると気になるのは、タイガーマスクWの今後だ。
その正体が、噂通り“初代タイガーマスク以来の天才”と呼ばれるあの男であるなら、今後オカダ・カズチカ最大のライバルになりうる存在であり、その虎のマスクを脱ぎ去った時には、2代目タイガーから脱皮した三沢光晴以来のマット界の救世主となる可能性を秘めている。
3.6大田区大会のオカダ・カズチカvs.タイガーマスクWは、単なる45周年記念企画試合ではなく、プロレス界の未来を見越したプロローグでもあるのだ。