ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
「何人タイガーマスクいるんだよ!?」
佐山サトルから三沢、Wまで大集合!
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph byAFLO
posted2017/03/05 11:30
ブラック・タイガーに鮮やかなローリングソバットを見舞う初代タイガーマスク。佐山の遺伝子は、今の「W」にも継承される。
4代目は佐山サトルからの直接指導を受けた。
新日本期待の若手だった金本浩二扮する3代目タイガーは、当初は記念試合1回限りの予定だったが、好評だったため'93年5月の福岡ドーム大会で正式デビュー。しかし、ケンカストロングスタイルを信条とする金本は、タイガーとして求められるスタイルとのギャップに悩み、翌'94年の1.4東京ドームで自らマスクを脱ぎ捨ててしまう。そして3代目はわずか8カ月間の活動期間で姿を消した。
三沢も金本も、初代・佐山タイガーの幻影に苦しめられたのだ。
その点、'95年に原作者・梶原一騎の追悼大会「格闘技の祭典」でデビューし、現在も新日本で活躍中の4代目は、初代タイガー佐山サトルの指導を受け、最初からタイガーマスクとしてデビューしたことで、三沢や金本のような、本来の自分とタイガーのイメージのギャップに苦しむことがなく、22年間という長期にわたってタイガーマスクを続けている。
そして最も新しい5代目は、2010年に梶原一騎の実弟、真樹日佐夫の真樹ジムが主催する「梶原一騎24回忌追悼記念」大会で、初代タイガーとのタッグでデビュー。その正体は、公表されないものの総合格闘家のMであり、他のタイガーとは一線を画す、完全なる一時期だけの企画ものと言っていいだろう。
ライバルのブラック・タイガーは7代目まで存在。
余談だが、初代タイガーマスクのライバルだった“暗闇の虎”ブラック・タイガーは、なんとタイガーマスクを上回る7代目まで存在する。
初代は佐山のイギリス時代のライバル、マーク・ロコであり、2代目はのちのWWE世界王者エディ・ゲレロ。現在、バレッタとのコンビ「ロッポンギ・ヴァイス」として新日本で人気を博すロッキー・ロメロも、2005年の新日初参戦はブラック・タイガー(4代目)としてだった。
また、CHAOSの石井智宏も、4代目タイガーと抗争していた2011年に、正体バレバレのブラック・タイガー(6代目)として登場していたりするのだ。