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'82年組、節分、富美加、金正男……。
プチ鹿島、2月のスポーツ新聞時評。 

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プチ鹿島

プチ鹿島Petit Kashima

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posted2017/02/28 17:00

'82年組、節分、富美加、金正男……。プチ鹿島、2月のスポーツ新聞時評。<Number Web> photograph by Kyodo News

広島に今季加入した助っ人、ブレイジアも節分に豆まきに挑戦した。日本独特のキャンプ報道に何を思ったのだろうか。

キャンプ以上に騒々しかったのは、あの女優の話題。

 さて、今月のスポーツ新聞は中旬から一気に騒々しくなった。

 2月12日(日)。日刊スポーツが1面で「清水富美加 出家引退」「幸福の科学のため働きたい」。ここから連日の報道がスタートする。

 2月14日(火)。スポニチ「清水富美加 教団で女優業継続か 『幸福の科学』映画広告塔に」「新作映画ぶち壊し ヒロイン急きょ代役探し」

 サンスポは1面で「清水の父に借金5000万円か」。

 新聞にはそれぞれキャラがあって、朝刊スポーツ紙は「芸能界からのお知らせ、言い分」を載せる。事務所と窓口があるから当然だ。

 一方、夕方に出る東スポや、日刊ゲンダイなどのタブロイド紙はゴシップもたくさんあるが、朝刊スポーツ紙とは別の切り口を書く。

 たとえば先ほどのサンスポは「清水富美加の父に借金5000万」と載せた。これでネガティブな印象が増すのは清水側。借金の肩代わりを教団にしてもらったというイメージすらつく。

 しかし翌日の東スポは『父借金5000万円報道内幕』として、「5000万円という数字の根拠は『?』だ」と調べ、報じた。どちらも読んでおけば(どちらの可能性も想像しておけば)、バランスがとれる。

「関係者の証言」の情報戦を知り、正しい野次馬に!

 次に紹介したいのはこの記事。

「清水富美加 生活態度急変」「生放送で酒の臭い、スタッフに不満ぶつける場面も」(スポニチ 2月16日)

 清水の態度が最近急変していたという「関係者の証言」を載せていた。

 すると今度は「清水富美加 生放送で“酒の臭い”報道にカンテレが反論『笑顔で元気』」(デイリースポーツオンライン・2月16日)

《女優・清水富美加(22)が、1月中旬にレギュラーを務める関西テレビ・フジテレビ系の情報番組「にじいろジーン」に生出演した際に「酒の臭い」がしたとの番組スタッフの証言が一部で報じられたことに対し、番組制作の関西テレビが16日、事実を否定するコメントを発表した。》

 こうなるともう何がホントかわからない。ひとつだけ言えることは「情報戦がおこなわれている」ことだ。これを頭に入れておけば正しい野次馬になれる。

【次ページ】 金正男のニュースという国家ぐるみの情報戦まで。

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