月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
'82年組、節分、富美加、金正男……。
プチ鹿島、2月のスポーツ新聞時評。
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byKyodo News
posted2017/02/28 17:00
広島に今季加入した助っ人、ブレイジアも節分に豆まきに挑戦した。日本独特のキャンプ報道に何を思ったのだろうか。
則本は豆まきで「コントロールがいい」との見出し。
松本伊代&早見優のインタビューが載った2月4日はもうひとつ大きなイベントが報告されていた。
プロ野球の各キャンプ地での「節分」である。
毎日練習しかしていないこの時期、野球面にとって「節分」は大イベントである。
地元テレビの番組収録で楽天のキャンプを訪れた小島よしお(股間に鬼のお面をつける)に豆をぶつけて退治したのはエース則本昂大。
「豆でわかった!? 『今季の則本は制球がいい!』」(サンスポ)
一方、「今永 鬼は自分」(サンスポ)という見出しもあった。何のことかと思いきや、横浜DeNAベイスターズの今永昇太が「去年の自分を鬼だと思って、上回りたい」。おお。
去年のデビュー時から「負けた投手の名前は残らない。いい投球だったとしてもプロ野球は昨日得た信頼を今日失う世界なので」など、深いコメントでファンを唸らせた今永。豆まきも真面目だった。
「まじめ」でデイリー1面になる阪神の新外国人。
恵方巻きも全国区になりつつある今、「豆まき」と「恵方巻き」の12球団分布も調べてみた。どちらで絵作りをしたか。
すると「豆まき」が10球団、「恵方巻き」は2球団(ソフトバンクとオリックス)だった。ソフトバンクはキャンプ地である宮崎産の食材を利用した特製恵方巻きを工藤監督自らカメラマンの前でぱくり。さすがソフトバンク、地元特産品が入った恵方巻きでキャンプ地も喜ばせるPR。今後は他球団でも増えそうだ。
阪神推しでおなじみデイリースポーツの節分翌日の1面は何だったか。
「キャンベル『まじめ』」
金本知憲監督が新外国人のキャンベルの打撃練習を初チェック。「メンタル面を超評価!」した。人柄が1面というのは前代未聞。
「肝心の打は?」「まあ、どうだろう」(金本)。
……これからこれから。
デイリーは1面の横に「キャンベル豆まき動画配信中!!」と告知していた。誰が見るんだそれ、などと言ってはいけない。熱狂的阪神ファンたるもの、新外国人の豆まきもチェックするのがこの時期の正しい過ごし方なのである。