Sports Graphic Number MoreBACK NUMBER

平尾誠二の死に戦友がかける言葉。
大八木淳史「平尾、何やっとんねん」 

text by

Number編集部

Number編集部Sports Graphic Number

PROFILE

photograph byNaoya Sanuki

posted2017/02/10 07:00

平尾誠二の死に戦友がかける言葉。大八木淳史「平尾、何やっとんねん」<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

「彼のキャリアはほぼそのまま、僕のキャリア」

 日本代表で同部屋だった'83年のウェールズ遠征。

 同大時代に「ハエ」と名付けたサインプレーで、平尾からパスを受けた僕がトライを決めた'84年のフランス戦。

 歴史的勝利を挙げた'89年のスコットランド戦。

 大逆転劇で社会人選手権3連覇を果たした'91年の三洋電機戦……彼のキャリアはほぼそのまま、僕のキャリアです。

 思い出す試合は本当に沢山ありますが、1つだけと言われたら、やっぱりV1の時の東芝府中戦でしょうか。

 試合後の表彰状を前キャプテンだった林敏之さんに受け取ってもらったのは、僕らのアイデアでした。

W杯でのジャパン躍進の根っこには、平尾の理念が。

 引退後、彼は日本代表の監督、のちに神鋼のGMとして日本ラグビーを強化する立場につきました。外国人選手の積極登用や選手の体力強化、代表の地位向上など、周りよりも常に3歩先の理想へと邁進していた。

 残念ながら結果は出なかったけれど、昨年のW杯でのジャパン躍進の根っこには平尾の理念があったと思うし、それは間違いなく'19年の日本でのW杯開催へとつながっていると思います。

 だからこそ、もっともっと彼にはできることがあった。表舞台で活躍してほしかった。

 訃報からしばらく経ちましたが、明日グラウンドに行けば平尾に会えるんじゃないか、と思っている自分がまだいます。

「平尾、何やっとんねん! お前、とりあえず神戸製鋼を強くせえや!」

 そう声をかけている自分が、浮かんでくるんです。

(2016年10月1日 Number914・915号「追悼・平尾誠二/大八木淳史「平尾、何やっとんねん」)

『伏見工業伝説 泣き虫先生と不良生徒の絆』

「Amazon」で購入

文藝春秋BOOKS

『伏見工業伝説 泣き虫先生と不良生徒の絆』

「スクール☆ウォーズ」の舞台が40年ぶりに蘇る!

手のつけようのない不良生徒たちと真正面から向き合い、時にぶつかり合い、時に涙しながら弱小ラグビーを鍛え上げていく。わずか6年で全国優勝へと導いた“泣き虫先生”山口良治と不良生徒の奇跡と絆の物語。 ドラマ「スクール☆ウォーズ」のモデルとなった昭和の伝説の高校が、平成最後の年に蘇る!

<本体1,600円+税/益子浩一・著>

書籍紹介ページへ(文藝春秋BOOKS)

関連記事

BACK 1 2 3
#平尾誠二
#大八木淳史
#神戸製鋼
#伏見工業高校

ラグビーの前後の記事

ページトップ