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育成新人が異例の一軍キャンプに。
ロッテ菅原祥太、大学中退後の反撃。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byKyodo News
posted2017/02/03 07:00
新入団選手発表会見では後列の一番左で写真に収まった菅原。背番号122を背負った男はその打力で“下克上”を狙う。
50m5秒8の俊足、目指す選手像は柳田悠岐。
特に力を入れたのはティーバッティングとウエイト。一日5食の食トレの効果もあって、体重は高校卒業後の5年間で95kgまで増えた。
「とにかく振れる選手になりたかったので」
バッティングではボールに強いバックスピンがかかるよう下半分を捉えるように意識している。今年(2017年)1月の新人合同自主トレでは全体メニューが終わるとすぐにロッテ浦和球場の室内練習場へ向かいバットを振っていたが、そこでも彼はセンターからライト方向へ綺麗な放物線を描いた打球を次々と飛ばしていた。
目指す選手像はソフトバンクの柳田悠岐。50m5秒8の俊足は平凡な内野ゴロを内野安打にしてしまえるくらい加速力もある。決してパワーだけの選手じゃない。
プロの厳しい世界に耐えうる精神力はあるか?
とは言え課題は山ほどある。
技術レベルを語る前に、まずは精神面という大前提がある。
大学野球のきびきびした環境についていけなかった選手がプロの環境でやっていけるのか。逆境にぶつかったとき、それを跳ね返せる精神力を彼は持ち合わせているのか。
そんないじわるな質問を、あえて諸積にぶつけてみた。
「そこがこれからの本人の課題でしょうね。でも僕は、彼なら乗り切ってくれると思いますし、信じるしかないです」