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青森山田は選手宣誓も凄かった。
高校サッカーは「名言」の宝庫だ。

posted2017/01/22 07:00

 
青森山田は選手宣誓も凄かった。高校サッカーは「名言」の宝庫だ。<Number Web> photograph by AFLO

凛々しい表情で選手宣誓の大役を務め上げた住永。取材ゾーンでの対応も高校生離れした落ち着きだったという。

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茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

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「宣誓! Partido a Partido!」

 2016年12月30日、駒沢陸上競技場に響く声を聴いた瞬間、正直に言うと「えっ、なんでシメオネの言葉?」と思った。

 第95回全国高校サッカー選手権大会、開会式。全国から集った48校の中で、選手宣誓の大役を務めたのは青森山田の主将を務める住永翔だった。青森県に同大会初の優勝をもたらしたチームは、キックオフ前からそのインパクトは特大だった。冒頭の言葉は、宣誓で住永が口にしたスペイン語である。

 パルティード・ア・パルティード。日本語に直訳すると「一戦、一戦」というシンプルな意味だが、これは今や世界的名将となったディエゴ・シメオネ監督の口ぐせとしても知られている。

 シメオネ監督といえばアトレティコ・マドリーを世界有数の“闘う集団”へと変貌させ、リーガでバルセロナとレアル・マドリーの二強体制に風穴を開けた。個人能力で劣るならば、目の前の一戦を極限まで集中して戦え――。「Partido a Partido」は闘将の信念が凝縮された表現であると同時に、シメオネの自伝タイトルにもなっているほどである。

 ボランチを務めるキャプテンにとっては、シメオネの言葉は心打たれる表現であったことは間違いない。選手宣誓の最後にもう一度「Partido a Partido!」と口にしたほどである。

東日本大震災、シャペコエンセの墜落事故にも触れた。

 この言葉を耳にしたチームメートのDF小山新も「(住永が)あの言葉を言うとは知らなかったです」と驚いたというが、住永はこのスペイン語以外にも、選手宣誓で様々な表現を駆使した。取材ノートを読み返すと、様々な事象に触れていたことに気づかされる。

「東日本大震災の年、私たちは小学生でした。このままサッカーを続けてもいいのか、迷った友人もいましたが、周囲に助けられ、背中を押され、今があります」

「ブラジル、シャペコエンセのジェット機墜落事故で犠牲になった皆さんに思いを馳せます。日本でも活躍した選手が何人も犠牲になりました。私たちは彼らのプレーから時を忘れるほどの感動や勇気をもらいました。心からご冥福をお祈りいたします」

【次ページ】 青森山田と同じく、公立高にも表現力豊かな選手が。

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