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箱根駅伝で山登りの重要度が低下。
今回は「花の2区」にエースが集結!
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byAFLO
posted2016/12/28 11:40
出雲駅伝を2連覇した青山学院のアンカー・一色恭志。箱根の2区でも、多くの学校が一色を意識して走ることになるだろう。
2区はエースが集結。青学を「崩す」大学は。
今回、2区を走るのが確実視されているのは、このランナーたちだ。
・青山学院大 一色恭志
・山梨学院大 ドミニク・ニャイロ
・東海大 關颯人
・順天堂大 塩尻和也
・神奈川大 鈴木健吾
エースが集まるなかでも、ニャイロの力は抜きんでているが、東京マラソンで日本人3位の一色、リオデジャネイロ・オリンピックの3000m障害代表の塩尻、予選会日本人トップの鈴木、今年の1年生の中では抜きんでた力を持つ關と、「花の2区」と呼ぶにふさわしい選手が揃いそうだ。
これに加え、東洋大の服部弾馬も2区での起用が濃厚。酒井俊幸監督は、「服部を『崩し』で使うか、『王道』で使うか、目標によって変わってくるかとは思います」と話している。
他のメンバーが充実していれば服部を1区に用い、本命・青学大に揺さぶりをかけることも出来るかもしれないが、選手層を考えると「王道」での起用が濃厚と見られる。
「トラックで東京オリンピックを狙う以上、学生相手には負けられないぞ、と服部には話しています」
酒井監督はこう話しており、真っ向勝負に服部が加わってくると2区の興味はさらに深まる。
「つなぎ」だった2区が、勝負を決める区間に。
ただ1校、動向が読みづらいのが早大だ。全日本大学駅伝では2位に入り、実力を証明。面白い選手が揃い、青学大を揺さぶる可能性が十分にある。
2区というよりも、往路の1区から4区まで、4年生の平和真、武田凛太郎、鈴木洋平、2年生の永山博基の4人をどういった並びで走らせるのか、予測がつかない。平、あるいは永山が有力かとも思うが、12月29日の区間エントリー、1月2日の当日変更まで含め、予断を許さない。
いずれにしても、誰が走っても区間上位で走れる力は持っており、早大も2区でファクターになれる可能性がある。
しばらくの間、2区は「つなぎ」区間の意味合いさえ出ていたが、箱根駅伝2017では一線級の選手の意地の張り合いが見られるはずだ。
「花の2区」復活が楽しみである。