フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
ファイナルで期待の宇野、宮原。
そして、羽生結弦が挑む究極の世界。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2016/12/07 11:00
ふたつの偉大な記録へ挑むことになる羽生。GPファイナル4連覇も世界歴代最高得点越えも、戦う相手は自分自身である。
若手とベテランの2人のアメリカ勢にも注目。
また今シーズンは中国のボーヤン・ジンが進出ならず、代わりにアメリカの17歳、ネイサン・チェンが入った。
昨シーズンはジュニアGPファイナルで優勝したチェンにとって、シニアデビューでいきなりのファイナル進出である。フリーでは最低4度、場合によっては5度の4回転に挑戦してくるだろう。
もう1人はシニアに上がって8シーズン目にしてGPファイナルに初進出した、27歳のアダム・リッポンである。
フランス杯のフリーでは完璧な着氷の4トウループに成功し、「もうぼくが4回転ができないなんて誰にも言わせない」と安堵の表情を見せたリッポンだが、彼の本領はやはりその個性的な表現力である。
秀逸なジャンパーのチェンと、個性派のリッポンの2人の対照的な演技にも期待したい。
女子の最大の注目は「メドベデワ2連覇なるか?」。
女子はロシアが4人、そしてカナダのケイトリン・オズモンド、日本からはカナダで3位、NHK杯で2位だった宮原知子が食い込んだ。
17歳になったばかりのエフゲニア・メドベデワは、シニアになって2シーズン目である今季も、スケートカナダ、フランス杯で連勝し、安定した強さを見せている。
現在は順位もスコア的にも、彼女が1人抜き出ているのが現状だ。
圧倒的な強さを見せるメドベデワに、ロシア杯、NHK杯で優勝したアンナ・ポゴリラヤ、ロシア杯2位、中国杯優勝したエレナ・ラジオノワがどこまで迫っていくかが見どころとなる。またフランス杯2位、NHK杯3位に入賞し初進出した16歳、マリア・ソツコワにも要注目だ。