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“お試し期間”を経て代表監督へ。
青年指揮官でイングランド再建を。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2016/11/20 11:00

“お試し期間”を経て代表監督へ。青年指揮官でイングランド再建を。<Number Web> photograph by Getty Images

ヴァーディーに熱い指導を送るサウスゲート監督。46歳の青年指揮官に、サッカーの母国はすべてを託すことになりそうだ。

終了間際に追いつかれたものの、スペインとドロー。

 ジェイミー・バーディーが2得点目を挙げたのち、試合終了1分前まで無失点で切り抜けた守備陣の中でも、ストーンズは出来が良かった。侵入してくる相手には集中力を欠かさずにマークを行い、クロスが入ってくれば距離の出るヘディングではじき返していた。

 1点差に詰め寄られた89分の場面では、相手アタッカーのイアゴ・アスパスに対応する際、内側を切れなかった。とはいえ、これはファーサイド上隅に決めたアスパスのシュートを褒めるべきだろう。後半ロスタイムのイスコによる同点弾を含めての終盤の劣勢は、チーム全体がプレッシングを継続した疲れと、ポゼッション下手が最後に露呈したまでだ。

 試合としてはカウンターを狙った入り方は的中し、2-0とした後にはスペインばりの小気味良いビルドアップまで見られた。「長い目で見れば勝てなかったことが教訓としてプラスになる」とサウスゲートは話した。それは、指揮官にもチームにとっても及第点の戦いぶりだった。

強豪復活のターゲットは新世代がピークの'22年W杯。

 FAは暫定体制での4試合を終えてから候補を絞るとしてきたが、遅くとも11月末の役員会ではサウスゲートの正監督指名が発表されて然るべきだ。前監督は2年契約だったが、サウスゲートは4年契約を望んでいると見られる。FAも、2018年W杯ロシア大会後に途中見直しが可能な条件付きであれば、長期展望は望むところのはずだ。

 記念すべきW杯優勝50周年の夏に、イングランドは史上最低レベルまで自信を落とした。若手も多いチームの精神面を含めた立ち直りを考えれば、ロシアW杯とEURO2020では「及第点」の結果が必要なのかもしれない。強豪復活のターゲットは新世代がピークを迎える2022年カタールW杯だ。

 失意の真っ只中にあった今夏、メディアは「エディー・ジョーンズはラグビーの監督しかできないのか?」と冗談混じりに嘆いていた。サッカーの母国代表は、実在しない救世主ではなく、最も現実的な選択肢であるサウスゲートを正式な指揮官として地道に進歩を重ねるしかない。

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