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グランパスに欠落した「リスペクト」。
本田、吉田、玉田らOBが今語ること。 

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西川結城

西川結城Yuki Nishikawa

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posted2016/11/11 12:15

グランパスに欠落した「リスペクト」。本田、吉田、玉田らOBが今語ること。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

J2降格に伴って、大量の選手を放出している名古屋グランパス。来年クラブのレガシーを継ぐのは誰になるのだろうか。

闘莉王に「がんばってくれ」と連絡した玉田圭司。

 そうした内紛が現場にも徐々に影響していく。指導者経験のない小倉前監督の招聘なども派閥争いの一端だった。一枚岩になれなかった組織が招いたJ2降格。名古屋の地元有力紙が連日その話題の記事を展開するなど、今、ファンやサポーターもあらためて愛するクラブで何が起きていたのかを目にすることになった。久米氏や闘莉王らが去ることになった今回の事態も、こうした出来事の顛末だった。

 実は、J2降格までの戦いぶりを、名古屋に過去在籍していた選手たちも固唾を呑んで見守っていた。

 '06年に柏から名古屋に移籍し、'10年にはチームを代表してW杯南アフリカ大会に出場し、J1制覇にも貢献した玉田圭司。現在はJ1昇格を目指してC大阪で戦う。

「実は闘莉王に連絡した。あまりたくさんのことは伝えていないけど、『がんばってくれ』と。あいつも『がんばる』と返してきた。セレッソに来て2年、J2の戦いを初めて経験している。そんな自分が言えることは、名古屋みたいなチームがJ2でプレーしてはいけない。残ってもらいたい」

金崎も、増川も、隼磨も、阿部も、気にしていた。

 さらに現在鹿島でエースとしてプレーし、ハリルジャパンにも選出経験のある金崎夢生も、'10年の優勝メンバーとしてこう語る。

「トゥーさん(闘莉王)が戻ってきて、またチームになった気がする。僕は名古屋が降格するわけないと思っている。仲の良い永井(謙佑)とも連絡を取っている。残留して欲しい」

 現在、J2首位の札幌でDFリーダーとして奮闘する増川隆洋。同じくJ2の2位で札幌に肉薄する松本山雅の田中隼磨。そして千葉で今も強烈な左足を生かしてプレーする阿部翔平。GK楢崎正剛と闘莉王とともに、当時優勝チームを支えた守備陣である。

「トゥー(闘莉王)、ナラさんがあれだけ必死に戦っている。名古屋には何としてもJ1に残って欲しい」(増川)

「5年間プレーして、一緒に戦った仲間もサポーターもいる。J1にいないといけないチームだよ」(田中隼)

「あの強かった名古屋で一緒に戦った選手たちは、どこにいても頑張って欲しい」(阿部)

 皆が、想いを寄せていた。しかし、それも届かなかった。

【次ページ】 「正直、名古屋にはまだ複雑な気持ちがある」

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