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リオ五輪直後も“燃え尽き”はない!
瀬戸、池江らが見せた「本気」の泳ぎ。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2016/10/30 08:00
200mバタフライで優勝した瀬戸は、リオ五輪で敗れた坂井聖人(右)にも雪辱した。
タフになるためW杯、アジア選手権、短水路選手権へ。
東京大会を経て、さらにワールドカップ香港大会、アジア選手権、世界短水路選手権……と、年内は大会が続いていく。
「タフになるため、参戦しています」
疲労の色は濃くても、2020年の東京五輪へ向けて、鍛え続ける気持ちに変わりはない。
瀬戸だけではない。初日は、寺村美穂が100m平泳ぎで短水路日本新記録をマークし3位となり、本職の200m個人メドレーでもリオで3個の金メダルを獲る大活躍を見せたカティンカ・ホッスーに次ぐ2位に入った。
「平泳ぎで(日本記録を)出せたことは、素直にうれしいです」
リオでは、上位進出も期待される中、準決勝敗退に終わり、涙を流した。それだけに東京でのリベンジの気持ちは強く、泳ぎに表れていた。
高1の池江は泳ぐこと自体が楽しみで仕方がない。
2日目の26日にも、日本新記録が誕生した。100m個人メドレーの池江璃花子である。タイムは58秒24、従来の日本記録であった渡部香生子の59秒28を1秒04更新しての新記録で2位となった。これは短水路世界ジュニア新記録でもある。この日は100m自由形と50mバタフライでも自己ベストを出し、それぞれ3位と2位に入った。
リオの直後、「これから大会がまだあるので楽しみです」と語っていた池江は、帰国直後から高校総体など大会に出場し続けた。
今大会でも初日から多種目を泳いでの好成績である。それでも年内はまだまだ大会への出場を予定している。
「もっとタイムを上げて、メダルも狙っていきたいです」
泳ぐこと自体を楽しみにする高校1年生、意欲に衰えは一切ない。オリンピックでの悔しさをばねにする選手、まだまだ伸びていきたいと向上心に燃える選手それぞれが存在する。その中で4年の年月は長く、努力し続けることは苦しいことだ。それを知りつつ覚悟を決め、選手たちは4年後を見据えてすでに始動している。
そんなたくましさを感じさせたのが、今大会だった。