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マスターズで勝てば即日本の賞金王?
時代遅れのシステムに再検討の光を。
posted2016/10/09 11:00
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph by
AFLO
長い1年の終わり。昨年10月に開幕したアメリカPGAツアーは、最終戦でローリー・マキロイが優勝を飾ってシーズンの幕を閉じた。
ジョージア州アトランタでの決着は劇的で、最終日はケビン・チャッペル、ライアン・ムーアとの三つ巴のプレーオフに突入。4ホール目でバーディパットを沈めた直後の雄叫びとガッツポーズがシーズンエンドにふさわしかった。
この最終戦の勝敗が意味するのは、ただの1試合の結果に留まらない。シーズンの成績を通じたポイントレースによる年間王者が決定。昨年の夏場まで世界ランキング1位に君臨していたマキロイは、プレーオフシリーズの2勝目とともにフェデックスカップ王者の称号も手に入れた。
最終戦の賞金のほかに、1000万ドル(約10億円)が年間王者に与えられるボーナスは、ランキングで2位以下の選手にも支払われる。2位のダスティン・ジョンソンには300万ドル、3位パトリック・リードでも200万ドル。参戦3年目で自己最高のランキング13位で終えた松山英樹も28万ドルを獲得した。
2007年から導入されたこのプレーオフ制度も、節目の10シーズンが終了。4試合のプレーオフシリーズにおける分配ポイントの変更など紆余曲折を経て、ようやく定着した印象がある。以前はそのシーズンの王者といえば賞金王に他ならなかったが、いまは違うのだ。
賞金が一番多いのはマキロイではなく……。
では今季の米ツアーで、もっとも賞金を稼いだ選手は誰だったか。
1位は全米オープンなど3勝を挙げたダスティン・ジョンソンで936万5185ドル。2位が同じく3勝、世界ランク1位のジェイソン・デイで804万5112ドル。3位のアダム・スコット(647万3090ドル)を挟んで、マキロイは4番目。579万585ドルは、ジョンソンが稼いだ62%ほどの額だ。ちなみに、松山は419万3954ドルで9位と、ポイントレースよりも優れた順位で終えていた。