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MVPにふさわしいのは“同学年”22歳。
鈴木誠也と大谷翔平、成績での価値。 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2016/09/19 11:00

MVPにふさわしいのは“同学年”22歳。鈴木誠也と大谷翔平、成績での価値。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

今季急成長を遂げた鈴木。OPSも10割台を超えるだけに、MVP候補の有力候補であることは間違いない。

セは広島の選手で間違いなしだが、パの場合は複雑。

 セ・リーグは広島以外のチームから受賞者が出るとは考えられない。心情的には昨年メジャー球団が提示した20億円以上の年俸に目もくれずカープに復帰した黒田、あるいは自由契約になった阪神からカープに復帰した新井に受賞してもらいたいが、成績を冷静に見れば鈴木と菊池の争いになることは確実で、安打数以外は鈴木が上回っている。

 パ・リーグはどうだろう。これまで日本球界で誰もなし得なかった投打二刀流で目をみはる活躍をし、プロ野球に新しい価値観を植えつけた大谷が、ソフトバンクが優勝した場合でも受賞する可能性がある。私は大谷の「二刀流挑戦」を初めて聞いたとき、自著に次のように書いた。

 二刀流をめざすと言っても、投手で200勝、打者で2000安打を達成することはほとんど不可能である。大谷はどういう数値目標を設定しているのだろうか。もし投手60勝、打者1500安打くらいの数値目標なら、どっちかを捨てて一つに絞ってほしい。(『2013年版 プロ野球 問題だらけの12球団』草思社より)

150勝、1000安打、160本塁打をクリアできるペース。

 それから4シーズンを経過して通算成績を見ると投手として37勝13敗、防御率2.56、打者としては打率.274(安打219)、本塁打40、打点129と圧巻の数字が並ぶ。もし日本球界に居続ければ15年以上は在籍するはずなので、投手として150勝、打者として1000安打、160本塁打くらいは楽にクリアする。

 今年はその“怪物伝説”の序章となる年で、鈴木との同時受賞なら、のちのち「あの大谷と鈴木が同時にMVPになった年」と語り継がれていくだろう。そういう「スーパースター元年」の象徴として2人の頭上にMVPが輝いてほしい。

【次ページ】 「両リーグ20代MVP」でスーパースターの仲間入りを。

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