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いつかはホンダで優勝争いを――。
Moto3鈴木竜生が目指すトップへの道。
posted2016/08/27 08:00
text by
遠藤智Satoshi Endo
photograph by
Satoshi Endo
ロードレース世界選手権のMoto3クラスにチャレンジして2年目の鈴木竜生が、8月に行われた第11戦チェコGPで13位、今季5回目のポイント獲得を果たした。
鈴木は、11戦を終えて総合24位。数字だけを見れば目立つ存在ではないし、日本での知名度も低い。しかし、Moto3クラスで圧倒的な強さを見せるホンダ(日本)とKTM(オーストリア)に続く3番目のバイクメーカーであるマヒンドラ(インド)で参戦し、8人のライダーの中では3番目の成績を残し、パドックの関係者にも次第に注目を集めるようになっている。
鈴木は、1997年9月24日生まれの18歳。
千葉県出身。
所属するのはフランスのチーム・CIPで、2010年にMoto2クラスで活躍した故富沢祥也選手が所属していたチームである。
鈴木は4歳でポケバイレースを始め、小学生時代にはポケバイで多くのタイトルの獲得して、才能を発揮し始めていた。
ケニー・ロバーツのカリキュラムにも参加。
中学生になるとミニバイクにスイッチ。この頃から世界グランプリ参戦を視野に入れはじめ、元世界チャンピオンのケニー・ロバーツ氏がアメリカで行っている若い選手を対象にしたトレーニング・カリキュラムにも参加していた。
高校1年になると、国内のロードレース地方選手権で走るようになる。菅生選手権でチャンピオンを取るとすぐに国際ライセンスを取得。
直後、世界中から才能ある若い選手が集まるスペイン選手権のシーズン終盤の2戦に、チーム・CIPからMoto3クラスで参戦。そのときの走りが認められ、高校2年生になった'14年には、FIM・CEVレプソル国際選手権(旧スペイン選手権)にチーム・CIPからフル参戦することとなった。
この年のベストリザルトは15位だったが、高校を卒業した'15年からは、世界選手権のMoto3クラスに同チームから参戦することになった。